2024.12.05
【動物】キリンの飼育について
日本平動物園では 2022年10月13日オスの「ダイヤ」が死亡してからキリンを飼育していません。 ダイヤの死後、園内でキリン飼育検討チームを発足し、今後のキリンの飼育について話し合いました。話し合いの末、 3つの理由から現在のキリン舎でのキリンの飼育を中止することになりました。
① 運動場の面積
キリンはよく歩く動物です。野生下でよく歩くキリンにとって、狭い運動場は運動不足やストレスの原因になります。当園では長年キリンを飼育してきましたが、今回の話し合いで「運動場の面積はもっと広くあるべきではないか」との意見が多く挙がりました。キリンを心身ともに 健康な状態で飼育するだけでなく、キリンの魅力を最大限引き出すためにも今よりも広い運動場が必要です 。
② 群れ飼育
野生では群れで生活するキリンにとって、1頭での飼育は大きなストレスがかかる可能性があります。そのため動物園でのキリンの飼育は群れで行うことが多いで すが、群れでの飼育は1頭当たりの運動場の利用面積を狭めることになります。そのため「広い運動場面積」と「群れ飼育」というのはキリンにとって絶対条件にも関わらず、現在の施設ではその両方をクリアするのは難しい状況にあります。
③ 必要な設備
キリンを飼育するには寒い時期に暖かい環境で飼育できる寝室や蹄のケアを行うトレーニングスペース、治療用のサブパドックなどが必要となります。当園でもパネルヒーターの設置や健康管理のためのトレーニングなどを行ってきましたが、それでもサブパドックやトレーニングスペースがない現在の施設では十分な健康管理が難しいとの結論に至りました。
キリンを心身ともに健康な状態で飼育するには大規模なエリア改修が必要となります。今後、エリア改修の見通しが立てられた暁にはキリンの飼育を再検討する予定です。お客様からは「キリンがみたい」 「キリンいないんだぁ、残念」という声が数多く聞こえてきます。当園としても動物園のシンボル的存在がいないのは残念なことですが、当園の方針にご理解・ご協力いただけると幸いです。
現在のキリン舎は他の動物の福祉向上に役立てたいと考えています。どんな形で活用するかは検討中ですので、もうしばらくお待ちください。