でっきぶらし(News Paper)

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266号(2022年06月)1ページ

雨の日こそ動物園へ

6月と言えば、皆さんご存じ梅雨の時期。「ジメジメするのが嫌だなぁ」という方もいれば、「雨の日って割と好きかも」という方もいると思います。かくいう私も雨の日の薄暗い雰囲気と、空が重そうな感じは嫌いではありません。小さい頃なんかはレインブーツを履いて、水たまりをピチャピチャするのが好きでした。そんな雨の日といえば何と言っても動物園ですね。…はい、今「いや雨の日に動物園はさすがに…」と思ったそこのあなた。違います。雨の日だからこそ動物園なのです。

動物園というと屋外のイメージが強く、晴れた日に行く方が多いと思います。しかし日本平動物園は猛獣館299やは虫類館、夜行性動物館、熱帯鳥類館などの屋内施設が充実していて、雨の日でもじっくりと動物を観察することができます。さらに動物によっては晴れた日よりも見やすいこともあります。例えば猛獣館にいるライオン、ピューマなどのネコ科の動物。彼らは水に濡れるのがあまり好きではありません。晴れた日は岩の上にいて、少し遠かったり、絶妙に見えにくいところにいたりすることが多いです。しかし!雨の日はガラスの真ん前にいることが多いのです!これは単にガラスの上に屋根があるからなのですが、息遣いが聞こえそうなほど近いので、身体の隅々までじっくりと観察することができます。また動物によっては雨に濡れて体温を下げないため、屋外展示ではなく、屋内(寝室)展示になることもしばしば。動物からすれば外に出られないので少し憂鬱かもしれませんが、ガラス越しや柵越しすぐそばで観察できる絶好のチャンスです。さらにこれからの暑くなる季節は「あぢぃ~」という声が聞こえてきそうなほど動物たちが暑さに参っていることもあります。そんな季節の雨の日は比較的涼しく、いつもグデっと横になっている動物たちも、起き上がってウロチョロしたりします。つまり雨の日の動物園はいつもより、より近くで動物の観察ができ、より活発な様子が見られる!…かもしれないのです(笑)

さらにもうひとつメリットが。たとえ行楽シーズンでも晴れの日に比べて、雨の日は来園者が少ないです(あまり大きい声では言えませんが…)。しかし逆手にとれば、それだけ混雑を気にせず動物園をじっくり回れるということ。「休日にきても溢れ返る人でなかなか動物をじっくり見られないよ!泣」という方は、ぜひ雨の日に動物園へ足を運んでみてはいかがでしょうか。いつもと少し違う動物園を、いつもより快適に回れるかもしれません。
飼育員一同、カッパに身を包みお待ちしております。

(藤森 圭太郎 リカルド)

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