でっきぶらし(News Paper)

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278号(2024年06月)8ページ

カピバラたちのゴールデンウィーク

 今回はゴールデンウィーク中のカピバラたちの様子についてお伝えします!

~タケノコ編~
 4月中旬から5月にかけて動物園内の山ではタケノコがたくさん生えてきます。放っておくとどんどん伸びてしまうため、適宜抜いています。抜いてきたタケノコはゾウやオランウータン、レッサーパンダなどに与えますが、今年のタケノコはどれも大きく、しかも大量でこのままでは余らせてしまいそうでした。カピバラにタケノコを与えたことはなかったのですが、普段のエサの中でメダケという笹を好んで食べていることと、固いものを齧る強い歯を持っていることから、試しに与えてみました。長さ40cm以上あるタケノコを放飼場に寝かせてみるとかなりのインパクトです。まずタケノコに気が付いたのは、4頭の中でリーダー的存在の「なめこ」でした。何事にも慎重で警戒心の高いなめこですが、今回も少しずつタケノコとの距離を縮めて様子を伺い、相手(タケノコ)が何もしてこないとわかると、少し鼻先で触れてみて、ビクッと軽く跳ねてから匂いを嗅いで少しずつ食べ始めました。最初は恐る恐るだったものの、食べ始めると気に入ったようでした。なめこが美味しそうに食べている様子を見て、食いしん坊の「さくら」も近寄り、1つのタケノコを一緒に齧り始めます。2頭とも皮の部分をバリバリと夢中で食べていました。しばらくは2頭で仲良く食べていたのですが、途中からなめこが独り占めしようとさくらのことを追いやったため、ここで一旦タケノコを回収し、4等分に切り分けてから再度与えました。最初は興味を示さなかったマイペースな「ちゃんこ」も切り分けたタケノコは食べに来て、あっという間に完食し、食べるのが遅くて身体が小さい「ぶな」も隔離スペースで与えてみると、やはり皮をよく食べていました。

 大きくなりすぎたタケノコもカピバラにとってはバリバリ食感の楽しいごちそうだったようです。ゴールデンウィーク中はいつものエサに追加してタケノコ(この頃には長さ1m近くあり、タケノコというよりほぼ竹)を与えましたが毎日完食でした。こんなに好きなら来年も食べさせてあげたいので、見逃してしまった方はぜひまた来年の春ごろにカピバラ舎を覗きにきてくださいね。

~泥浴び編~
 カピバラ舎の放飼場には雨が降ったときにだけ出現する水たまりがあります。今年のゴールデンウィーク前半は雨が降り、後半になっても水たまりが残ったままでした。カピバラ舎には立派なプールがあり、カピバラたちのお気に入りスポットですが、放飼場にできた水たまりも大人気です。

よく晴れた日になめことちゃんこが一緒に水たまりの中に入り、ゴロンゴロンと寝転がって泥浴びをしていました。面白かったのはせっかく泥浴びをしたのに、すぐにプールに入ってしまい、泥が綺麗に洗い流されてしまったことです。このでっきぶらしが発行される頃には梅雨時で放飼場に水たまりができていることでしょうから、梅雨の晴れ間に動物園に来た際には泥浴びをするカピバラたちの姿が見られるかもしれません!
                                         
(大谷)

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