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【動物】メスのライオン『マッチ』が死亡しました(令和3年2月3日追記)

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(令和3年2月3日追記)

~ライオンのマッチの死亡について~

 令和3年2月1日(月曜日)、猛獣館299 ライオン放飼場で、ライオンのマッチ(メス)が、ギル(オス)との同居訓練中に噛まれ、窒息のため死亡しました。この件の経緯と今後の対応等について下記のとおりご報告いたします。


1 本件の発生状況

 令和3年2月1日(月曜日)午前9時30分、2頭の初の同居訓練において、ギルをマッチのいる放飼場に出したところ、突然ギルがマッチの頚部に噛みついたため、監視員が放飼場外より高圧洗浄機等を使用し噛みついたギルをマッチから放すよう対処しましたが、ギルは噛んだマッチの頚部を約20 分間放さず、死亡するに至ってしまいました。


2 同居開始前の飼育状況

 令和2年11 月19 日(木曜日)にライオンのオス、ギルが来園しました。当園では令和2年にオスのキングが亡くなって以来単独飼育となっていたライオンの展示を、オスとメスの同居展示にする計画を進めていました。この同居は、繁殖目的ではなく、本来野生下において群れで生活しているライオンが動物園で単独飼育である状況を解消し、複数で生活することで、生き生きとした個体同士のコミュニケーションを図ることを目的とした同居です。

 ギルが来園し、初めは2頭の寝室の格子窓に板を設置し、攻撃によりケガをしないようにして、お互いの存在を認識させることから始めました。当初、マッチは窓越しにギルを威嚇しましたが、ギルはマッチの威嚇を相手にせず、5日ほどでマッチの威嚇が少なくなってきました。

 11 月下旬にはマッチの威嚇が納まり、12 月初旬にはギルに対して喉を鳴らすようになったため、12 月4 日に格子窓の板を外し、2 頭の同居を目的としたお見合いを始めました。マッチはその日から、ギルに対して床に寝転んでお腹を見せる発情行動(ローリング行動)を見せ、ギルも格子窓に体を擦り付けて友好的な挨拶をしていました。それ以来、ギルとマッチは2頭共に日々濃厚な挨拶をし、互いに鳴き交わしやローリング行動を行い、同居を目的としたお見合いの様子は非常に良好でした。


3 同居の判断から訓練、死亡に至るまでの経緯

 オスとメスの同居を試みるのは、生理的にお互いに相手を受け入れやすい発情のタイミングで行うのが一般的です。ここ2〜3週間の発情中の様子からお見合いでの2頭の関係が非常に良好であったため、今回、初めてギルとマッチの同居訓練を実施することになりました。

 落ち着いた環境で行えるよう実施日は休園日にし、ライオン飼育担当職員、飼育係⻑、動物病院係の獣医師の監視体制を整えました。実施場所は、狭い寝室ではなく広い放飼場で実施することにしました。当日、直前の観察では、ギルとマッチは柵越しに濃厚な挨拶を交わし、マッチはギルに向かって喉を鳴らしてローリング行動を行う等、互いに同居実施に問題となる様子は観察されませんでした。今回の同居については、ライオンの一般的な同居のための条件(オス・メスの発情期であること等)を満たしており、またライオンの生態や相互の性格、相性等を総合的に判断した上での実施でした。

 同居手順として、先にマッチを出舎させ、ギルを次に出舎しました。ギルを出舎させるため扉を開けたところ放飼場扉前で待っていたマッチが開いた扉の中を覗き込み、その瞬間ギルがマッチの首元に噛みつきました。すぐに監視員が放飼場外より高圧洗浄機やバケツで水をかける、キーパー扉や観客側ガラス、ポリタンクを叩いて大きな音をたてる、ポリタンクや餌の馬肉、木の枝の投げ込み等を行い、ギルとマッチを引き放すよう対処し続けましたが、ギルは対処に動じず、約20 分間マッチの頚部を噛み続けてしまいました。その後、マッチを放したギルを入舎させた時には、マッチは既に心肺停止の状態でした。

 当園では、2 頭の観察を十分に行いながら、お見合いを行ってきましたが、野生動物の反射的な本能による行動から、このような事態が起こってしまったと推測しています。


4 今後について

 当園で飼育しておりますライオンのもう1 頭のメスのムールは、性格的に他個体との同居が難しいため、当面の間はオス・メスの同居展示は考えておりません。将来的な同居展示については、今後時間をかけて慎重に検討してまいります。

 これまでの飼育経験・技術をもって臨んだ同居展示の試みがこのような悲しい結果となってしまい、ギルとマッチが仲睦まじく寄り添う姿を皆様にお見せするまでに至らなかったことが残念でなりません。同時に計り知れない野生動物の本能と向き合うことの難しさを改めて教えられました。マッチの死を決して無駄にしないよう、これまで以上に飼育技術の研鑽に努めて参ります。

 マッチをこのような形で失う結果となり、皆様には深くお詫びいたします。また、動物園関係者一同、マッチのご冥福をお祈りします。猛獣館299 ライオン展示場には、献花台を令和3年2月3日(水)から約2週間設置いたしております。



(令和3年2月2日記載)

令和3年2月1日(月)10時ころ、ライオン(メス)の『マッチ』が死亡しました。

 昨年11月にオスの「ギル」が「富士サファリパーク(富士自然動物公園)」から来園し、寝室の隣室で2か月半の間、檻越しのお見合いを続けてきました。発情時には、互いに体を摺り寄せ合い、相性の良さを確認出来ました。

 オスとメスの同居を試みるのは、発情のタイミングで行うのが一般的です。そのため、ここ2~3週間のお見合いの様子から、発情中の令和3年2月1日(月)に、初めて放飼場での同居を行う事としました。同居を始めようと、扉を開けたところオスの「ギル」が、メスの「マッチ」に飛び掛かり、マッチは首元を噛まれ窒息死するという、残念な結果になってしまいました。

 令和3年2月3日(水)から、猛獣館299の人気者だった『マッチ』を偲んで、猛獣館299 2階ライオン舎前に献花台を設置いたします。※2週間程度予定


 ◆◆個体情報◆◆ 

・ライオン(メス) マッチ

・2006年7月5日生まれ(14歳)

・「富士サファリパーク(富士自然動物公園)」より2010年3月3日来園

【PDF 270kb】ライオン「マッチ」の死亡について(令和3年2月3日追記)

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