220号(2014年10月)1ページ
まっててね。バイソン
■まっててね。バイソン■
アメリカバイソンのマック(♂)モモ(♀)が群馬サファリパークへと旅立っていきました。これで日本平動物園とは永遠にお別れ・・・ではなくて、新しい獣舎ができるまでの間、預かってもらうのです。しかし問題は、体重800kgもあるマックをどのようにトラックに乗せるかです。いくらマックがのんびりした性格とは言え、抵抗されたら人では太刀打ちできないので、麻酔で寝かせてからうまくクレーンで吊り上げ、移動用のケージへと運びました。このときには、群馬サファリパークの方にも協力していただきました。とっても重いマックを落とすことなく無事ケージに運べても、バイソンの担当者はその表情を緩めません。ケージの中で麻酔から目覚めたマックを見て、やっとその表情は一変し、安堵と寂しさを滲ませていました。マックとモモは来年の3月には動物園に戻ってきますので、バイソンファンの方々はもちろん、担当者も、しばしの我慢をお願いします。
■フタユビナマケモノがやってきました。■
夜行性動物館に千葉市動物公園からフタユビナマケモノのタマチン(♂)6歳がやってきました。動物の名前のつけ方は様々で、お客さまによる公募や動物園職員全体でのアイデアによる命名などがあります。その中で一番多い名前のつけ方は、担当職員による命名です。タマチンは人工哺育で育てられた個体なので、担当の飼育員が本当に小さな頃からお世話をしていました。生まれたばかりのころは、頭が大きくてボールのようだったことが名前の由来だそうです。ナマケモノは1日14時間寝るといわれるほど、じっとしていることが多く、今まで当園にいたナマケモノたちは動いている姿が見られるかどうかはその日のナマケモノの気分しだいでした。しかし、タマチンはエサが大好きで、午前中のエサの時間には動いている姿がほぼ必ず見られるそうです。タマチンのいる夜行性動物館では、土日祝日の10時半から『夜行性動物のお食事タイム』を行っています。タマチンは甘いバナナが大好きで、毎日必ずバナナから食事を始めるそうです。現在の担当が、「太るのが心配だけど、タマチンがおいしそうにバナナを食べる姿がかわいすぎて止めることが出来ない!」というほどかわいいタマチンの姿をご覧になりたい方は『夜行性動物のお食事タイム』の時間に合わせて、夜行性動物館までいらしてみてください。
■レッサーパンダの赤ちゃん誕生!■
今年もレッサーパンダのシー(♀)が赤ちゃんを産みました。昨年、飼育員たちがハラハラドキドキ見守る中、はじめての子育てを難なく終えたシー。今年は双子が生まれたのですが、1頭は生まれてすぐに亡くなってしまいました。しかし、もう1頭は昨年生まれたミホに比べて1.5倍の速さで成長しているそうです。赤ちゃんレッサーの成長が早いということは、それだけシーの子育てが上手になってきているということ。仔どもがちょっと太っちょなんだよな~なんて言いながら、担当者もうれしそうです。おそらく秋ごろには皆さまにご覧いただけるようになっていると思います。公開日はホームページ等でお知らせしますので楽しみにお待ちください。
飼育係 中村 あゆみ