でっきぶらし(News Paper)

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221号(2014年12月)4ページ

見つめてみると、、、

 「グワーッ、グワーッ」「ガアッ、ガアッ」
 朝の静かなふれあい広場に金管楽器のような大きな声が響きます。その声の主達、1羽1羽にあいさつをしたら、朝ごはんの白菜を用意して彼らを放飼場に出します。ヨチヨチと可愛らしい足取りで寝室から出てくるのは“アヒル”と“ガチョウ”です。ふれあい広場の一角にあるアヒル池とよばれる建物には現在3羽のアヒルと6羽のガチョウが仲良くくらしています。
 アヒルは女の子のユゲルちゃん、チロルちゃんと男の子のミゲルくん。3羽とも白いアヒルです。
 ガチョウはロコ、ココ、モコとチップ、チョップ、クイ。モコは白い色のガチョウですが他の5羽はみんな茶色いガチョウです。
 数が多いので最初はみんな同じに見えるかもしれませんが、ジーっとしばらく見ているとそれぞれの個性や個体関係が見えてきてとってもおもしろいんですよ!
 たとえばガチョウの場合、群れの中でケンカが強いのはモコで弱いのがクイです。ちなみにココとチップはケンカを売られても静か~に上手く避けていきます。
 この間もモコがクイにケンカを売る事がありました。いつもはしばらくすると収まるのですがその時は少し長くて、「今日は長いな~大丈夫かな~」と近くで見ていたところ、なんと!ロコがモコにアタックをしました。まるでケンカを止めに入ったように見えたため少し驚きました。やるね!ロコ
 そんなこんなでモコによく怒られているクイですが実は避けながらも、餌を食べる時は一緒のお皿からつついたりモコにくっついている一面も見られます。ケンカするほど仲がいい?のかな?
 さて、このアヒル池で暮らすアヒルとガチョウは、日中はプールに入ってバシャバシャ水浴びをしたり、白菜をつついていたり、みんなそろってスヤスヤ昼寝をしていたり、、といろいろな姿をみせてくれます。そのためたくさんのお客さんがアヒル池の周りに集まってくれます。
 そんな中で一番お客さんが釘付けになってくれるのは夕方のごはんの時間です。日中は1つの放飼場に出ているアヒルとガチョウですが寝室は別々のため、まずアヒルから先に寝室に入ってもらいます。ごはんの準備を始めるとすでに扉の前で「はやく!はやく!」とスタンバイしている3羽。扉を開けた瞬間にわれ先にと走ってきてごはんにがっつきます。ごはんに夢中になりすぎてつい、お皿に足を突っ込んでしまったりお腹をダイブさせちゃったり、、、なんてこともあります。そんな姿を見て「すごい!可愛い~」と言ってもらえるのですが、すごい!のはその見事な食べっぷりだけでなく面白い食べ方にもあるんです。
 アヒルの平たい嘴の中にはくしのような突起がたくさんついています。エサを食べる際には水と一緒にエサを飲み込み、この小さい突起で水だけ出してエサを「こしとって」食べるのです。この「エサをこしとるために高速で嘴を動かしている姿」にみんな驚き、釘付けになります。また、ガチョウも同じような嘴のつくりになっているため両方の寝室から高速でエサをこしとる音がパタパタとしばらく聞こえています。
 ちょっと急ぎ足でいろんな動物を見たり、ふれあったりする一日も楽しいですが、時にはまったりと動物を「見つめてみる」一日も楽しいかもしれません。ふれあい広場に来た際にはぜひ、アヒル池の仲間たちを見つめてみてください。じーっと見ていなかったら気付かないみんなの面白い性格や行動、意外な一面がきっと見えてくるはずです☆

飼育係 照屋 景

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