224号(2015年06月)1ページ
GWにたくさんのご来園、 ありがとうございました
■GWにたくさんのご来園、 ありがとうございました
今年もゴールデンウィークに朝7時からの特別開園「朝の動物園」を行いました。朝7時という早い時間にもかかわらず、たくさんのお客様がエントランスの前で列を作り、開園をいまかいまかと待っていてくださいました。朝の動物園では、いつもと違う時間に動物園に入れるだけでなく、動物たちの出舎(寝室から外へでてくることです)や朝ごはんを食べる様子をご覧いただけます。また、今年から園内売店での『朝メニュー』の提供や地元の野菜や果物の販売する『あさいち』などの企画も行いました。
アジアゾウ舎では、ゾウの出舎の時間に担当飼育員によるガイドが行われました。野性下のゾウは多くの時間をエサ探しや食べることに費やします。しかし、動物園だと飼育員がエサを運んできてくれますので、エサを探す必要がありません。少しでも、エサを食べるのに時間をかけさせ、野生の状態に近づけるため、ゾウの出舎前の時間に、飼育員が放飼場のあちこちにエサを隠すのです。いつもは開園前にしている、ゾウが放飼場のあちこちを鼻で探りながらエサを見つけるしぐさをお客様に見ていただきながら、担当飼育員がそのような話をしてくれました。
また、出舎の姿が面白い動物として、一押しなのは、中型サル舎のブラッザグェノンです。サンタさんのおひげみたいな毛が口の周りにあるサルなのですが、日本平動物園にいるのはみんなメスです。出舎のとき、他種のサルが四つん這いでシュート(外に出るための通路)を通るのに対して、このブラッザグェノンたちは慎重な性格なのか、すくっと立ち上がり、手で天井を触りながら2本足でシュートを進んでいきます。しかも、ゆーっくり時間をかけて辺りを見回しながら。その姿は、おばけに例える人もいれば、居酒屋に入っていく人に例える人もいるほどユーモラス。是非一度見ていただきたいのですが、残念ながら今のところ時間を告知できるのはこの朝の動物園だけになっています。
さて、みなさんもいつもより朝早くから仕事や学校ってなると疲れちゃいますよね。タンチョウも連日の朝の動物園でちょっとお疲れだったようです。ゴールデンウィーク中、掃除に行くと池の中で立ったまま目を閉じているではありませんか。隣で「掃除始めるよー」と声をかけても動きません。ガチャガチャと掃除道具を準備していると、ようやく目を開け・・・たのに、しばらく目を白黒させながら(鳥は目とまぶたの間に瞬膜という膜があります。その膜を出したり引っ込めたりしていたので、実際に白黒と目の色が変わっていました。)ボーっと立っています。そのうち「くぁーっ」っと嘴をめいっぱいに広げたかと思うとようやく、でも、いつもよりゆっくりとした足取りで池から出て行きました。鳥は早起きする生き物だとずっと思っていたのですが、すっかり動物園慣れしてしまったタンチョウは早起きが苦手になっていたみたいです。お客さんにクスクス笑われてしまった、寝ぼけタンチョウでした。
■赤ちゃんラッシュがはじまりました
ペンギン館でペンギンのヒナが、小型サル舎でワオキツネザルの赤ちゃんが、草食獣舎でバーバリーシープの赤ちゃんが生まれました。さらに、フライングメガドームでは親ガモたちの後ろをついて泳ぐ仔ガモの姿を見ることができます。この号が発行される頃には、今より立派に成長しつつもまだまだ幼さの残るかわいらしい姿をご覧いただけるかと思います。また、これからはレッサーパンダの生まれる季節。いち早く動物の情報を知りたい方は、ぜひ動物園のホームページもチェックしてみてくださいね。
飼育係 中村あゆみ