でっきぶらし(News Paper)

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228号(2016年02月)1ページ

冬でもホットな鳥の館/シュウシュウの旅立ち

冬でもホットな鳥の館

 この冬は暖かい日が続いたとはいえ、動物園を長い時間歩いていると体が冷えてしまいます。そんな時には熱帯鳥類館がオススメ。「鳥なんて興味なーい」「飛ばして次に行こうか」なんて言わず、中に入ってみてください。暖かい地域で暮らす鳥たちのために、館内は冬でも20度近くに保たれています。ホットなのは気温ばかりではありません。昨年4月にオスが来園してカップルになったカンムリシロムクたちは、外の寒さも吹き飛ばすアツアツぶりなのです。2羽で寄り添い、お互いを羽繕いしたり、ボビングディスプレイと言われるスクワットのような行動を一緒にしたりと、とても仲良しです。ふるさとがバリ島であるこの美しい鳥たちを見ながら、南国リゾートに思いをはせてみてもいいかもしれません。この2羽は相性がよく、出会ってすぐにヒナが生まれました。そして、協力して子育てをおこない、1羽のヒナを無事に巣立たせることができました。お見合い当初、メスは10歳を迎えようとしており、はじめてお母さんになるには年齢的にギリギリと言われていたため、ヒナの誕生はとても嬉しい出来事でした。子育ての季節が終わっても2羽のアツアツぶりは冷めやらず。愛情がこもり過ぎた羽繕いのせいなのか、最近では、オスの首回りの羽が薄くなってきてしまいました。仲が良いのもほどほどにね!
 春は生き物たちが新しい命を芽吹かせる季節です。優しい日差しの中、カンムリシロムク夫婦のように仲良く寄り添うカップルとその子供たちをたくさん見られることを夢に見ながら、もう少し続く冬を乗り越えたいと思います。


シュウシュウの旅立ち

 昨年12月27日、レッサーパンダのシュウシュウ(♂)が亡くなりました。14歳でした。2012年に亡くなったナラのお婿さんとして来園し、その期待通り、何頭もの子供のお父さんになってくれました。シュウシュウは優しい性格で、メスに対してとても紳士的。ナラに先立たれた後はその性格の良さを買われ、10歳も年下のスミレのお婿さんにもなりました。残念ながらスミレとの間に子供はできませんでしたが、年の差を感じさせない仲良しカップルだったようです。シュウシュウの亡くなる10日前、昨年7月生まれの、シュウシュウの孫であるタケルが突然亡くなっていました。悲しい出来事が続いてしまったのですが、もしかしたら、とても優しいシュウシュウはまだ小さかったタケルが寂しがるかもしれないと思い、孫と一緒に行ってしまったのかもしれません。世代をつなぐ役割をしっかり果たしてくれたシュウシュウ。これからは、長年連れ添ったナラと共に、タケルとも遊びながら、自分の子供や孫たちを遠くから見守ってくれることを願います。

(飼育係 鈴木 直美)

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