でっきぶらし(News Paper)

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50号(1986年04月)12ページ

―動物園見てあるき―研修会に初めて参加して 清水定夫

 昭和60年11月6日・7日と、第51回社団法人日本動物園水族館協会・中部ブロック飼育技術者研修会が、伊豆シャボテン公園において開かれ、小野田飼育課員と私が参加しました。
 私はハクビシンの人工哺育の経過を発表しましたが、飼育係2年生である私にとって、多勢の人前で話すのは初めての経験でした。それだけに不安でたまらなく、先輩の飼育係の方からも「一生懸命練習したのだから大丈夫、しっかり頑張って来い。」と励まされてきたのですが、冷や汗をかき足は震える思いでした。
 練習した時のようにうまく説明できず、次第に早口になってゆくのが自分でもわかるぐらいでした。それでも「ドキッ」とするような質問もなく、初めての研究発表は何とか体裁をとりつくろうことができました。
 次から次、諸先輩の研究発表が続く中で、改めて動物飼育の大変さを知り、多くを学ばねばならぬことを痛感させられました。そうしなければ、置き去りにされそうです。
 翌日は施設見学で、城ヶ崎から伊豆海洋公園を案内して頂きました。折りからの悪天候で城ヶ崎の海はうねり、どとうのように押し寄せる波が岩礁にあたって砕け散る様は、想像していたのとはちょっと違う景観を楽しむことができました。
 しかし、伊豆海洋公園のほうはシーズンオフとのことで、多くの熱帯植物もほとんど花を咲かせておらず、少々がっかりさせられました。そんな中で、種名はわかりませんでしたが、何種類かいたインコが色鮮やかで、それだけが強く印象に残りました。
 続いてシャボテン公園内も見学したのですが、天気のほうはさっぱり回復せず、雨が降ったりやんだりする中、霧までかかってくる有様で、ゆっくり見て回れる雰囲気ではありませんでした。
 それでも、木靴の形をしたくちばしを持つシュービルストークという奇妙な鳥、それから多くの大型のげっ歯類、種名をしっかり覚えることはできませんでしたが、世界には、いろいろな動物がいることをより認識させられました。
 また、私達のために特別にやって頂いたチンパンジーのショー、3頭が代わるがわるにいろいろな演技を披露してくれました。感心させられたのは、飼育係の方と息がピッタリ合っていたことです。
 何もかも教えられることばかりだった2日間、私にとっては本当に有意義な研修でした。

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