でっきぶらし(News Paper)

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262号(2021年10月)4ページ

「ミーアキャット漫談」

 皆さま、こんにちは!今年度より、ライオン・アムールトラ・ミーアキャットを担当しております髙橋と申します。よろしくお願いします。今回記事を書くにあたって参考になるものはないかと以前の記事をあたってみると、おやおや…?4年もスポットを当ててもらえていない動物が…。そう、ミーアキャットです。ちなみに前回の内容は、「ミーアキャットの放飼場が気づかれずに素通りされちゃうから紹介するぞ!」というお話でした。いや前回も悲しい。私は愛しているぞミーアキャットよ。こうなれば、担当として彼らを陽の当たるところへ出すしかあるまい!!ということで、ミーアキャットについての小噺をさせていただこうと思います。

 さて、当園では3頭のミーアキャットが仲良く暮らしております。
・リーダーで紅一点、鼻先がピンク色の「ピンク」
・一番太っちょで灰色がかった食いしん坊「ウタ」
・細身でいつも一番に見張り役を買って出てくれる「ボサ」
のゆかいな3頭でございます。

 しかしウタは毛づくろいがあまり得意でないのか、背中に大きな毛玉がびっしり。爪も伸び切り、もちろん体重も気になるところ…。そこで獣医師と相談し、健康診断をすることになりました。健康診断をするために、捕獲をして、麻酔をかけなくてはいけません。

 さあ、私とミーアキャットの長い闘いの始まりです。まずエサで釣って、網でそのまま捕獲を試みました。念のため獣医師にも近くで待機していただき、そのまま病院に運べるように準備万端です。しかしどうしたことか、そもそも巣穴から出てきません。獣医師の撤退後、意地になって30分ほど待ってみましたが、出てきません。副担当より「待っても意味ないよ」とのお言葉。ですよね、お恥ずかしい限りです…。そこで、作戦を立て直しました。

① 獣医師には動物病院で待機いただき、ミーアキャットに気づかれないようにする。
② 輸送カゴを警戒しないよう、裏からこっそり入って、隠してから放飼場に入る。
③ 大好きな「コオロギ」を与えて、誘い出す。

するとどうでしょう。「ウタ」は逃げるどころか、もっとコオロギをおくれとばかりに、こちらの足元に近づいてくるではありませんか!網を一振り、無事捕獲。所要時間30秒。そのままカゴに入れて病院へ直行。この数日何を苦労していたんだと拍子抜けです。まだまだ勉強せねば…。さて、「ウタ」ですが夕方にはキレイさっぱりになって帰ってきました。

 もちろん担当者には目も合わせてくれなくなりました。健康診断の結果は「太りすぎ」。ですよね。ダイエットのため、ミーアキャットの餌はしばらく少なくなるかもしれませんが、皆様には何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

(高橋 勇太)

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