でっきぶらし(News Paper)

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103号(1995年01月)9ページ

子供動物園 小春日和 「もしもしカメよカメさんよ」

 爬虫類の中のオーソドックスな人気者と言えば、カメでしょう。全く不思議な人気です。いてもいなくてもいいように思うのですが、何かしら引きつけるものがあります。
 で、がっかりさせられるのが冬場です。理由は単純明快、冬眠していて見ることができないからです。私達には常識でも、一部のお客様には不思議でしょうがないようで、それが特に子供であった場合、納得がゆかない表情で枯葉がいっぱいつまっているカメの池をいつまでも見つめています。
 それだけに小春日和のやや暖かな日、枯葉の間からカメがにゅうっと顔を出すと大騒ぎです。「あっ、顔を出した。あっちにもいるよ。」「お父さん、あれすごーいでかいよ。」と半ば諦めていたのに姿が見れて、感激でどよめいています。
 私が少年の頃、カメはやはり宝でした。でっかいカメを見つけると心は踊りました。言葉には表せない魅力に引きつけられました。少年が感激する心の内、よくわかります。

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