でっきぶらし(News Paper)

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273号(2023年08月)6ページ

飼育員になった話

自分は文章を書く事がかなりというか、とても苦手です。理由は簡単、何をどのように書けば良いのか分からないのです。勉強で良く言う「分からない所が分からない」状態だと思って下さい。自分が小学生の時に書いた作文を読むと「僕は~でした。」が永遠と続いています。大人になってから見直してみると、とても恥ずかしくなります。

そんな文章力の無さは昔も今もあまり変わっていませんが、執筆の順番がまわってきてしまったので何か書かなければなりません。さて、何か良いネタはないかと色々考えたのですが、特に何も思い浮かびません。年を取るとダメですね。日々
の変化に鈍感になります。なので、今回は自分が飼育員になった経緯を書こうと思います。たいして面白くありませんが、ご了承ください。

かなり昔の話ですが、当時、自分は新卒で入社した情報処理関係の会社で働いていました。今もそうかもしれませんが、コンピューターは進歩していくスピードが速かったため、若い時は良いが年を取ると仕事についていけなくなると言われていました。そんな事情もあり転職を考えていたところ、なんとか静岡市職員の試験に受かることができました。採用された当初は別の部署で働いていたのですが、異動希望を出したところ、当時の課の課長に呼び出されました。「何だろう?」と思い課長の元へ向かったところ「ゾウは好きか?」「ライオンは大丈夫か?」「ヘビはさわれるか?」など唐突に質問されました。「???」意味が分かりません。「何の話でしょうか?」と尋ねると「異動を希望しているよね。実は来年、飼育員が1名退職になる。配属されるか分からないが、動物園に異動希望を出してみないか?」との事、ビックリです。というのも自分は動物を飼ったこともなければ知識もありません。大丈夫なのかと思い課長に尋ねると動物の飼育方法は先輩飼育員に教えてもらえるから大丈夫だとの事。不安もありましたが、興味もあり動物園に異動希望を出す事にしました。
 
その後、無事動物園への異動が決まり、晴れて飼育員となりました。それから時は経ち気付いてみれば二十数年、色々ありましたが、今も動物園で働いています。仕事を教えてくれた先輩飼育員達もほとんど退職され、自分ももう古参と言われる部類に入ってしまいました。あと何年動物園で働くか分かりませんが、頑張っていきたいと思います。

岩田 雅也

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