でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

175号の2ページへ »

175号(2007年04月)1ページ

【新たな命次々誕生】

昨年に続き、今年も暖冬の年になりそうです。3月20日頃には動物園でもちらほら桜の開花が見られます。

そんな中動物園では次々と新たな命が生まれています。
ペンギン池ではフンボルトペンギンの両親たちが交代で巣穴の卵を温め雛の誕生を待ち望んでいます。フンボルトペンギンの卵は抱卵し始めてから40日程で孵化します。

動物園のペンギンの多くは両親が交代で卵を温めますが、中には父親だけが片時も卵から離れることなく温めている個体もおり、このため飼育員が各巣穴におもむき一羽ずつ手渡しでこの時期は餌を与えています。桜が満開の頃には可愛い雛の鳴き声が聞こえるでしょう。

皆さん、クロヒゲサキという中型のサルをご存知でしょうか。日本には東山動物園とここ日本平動物園にしか飼育されていない大変珍しいサルです。容姿は一目見たら忘れることが出来ないでしょう。

生息地は南米アマゾン川流域、ブラジルからベネズエラ、ギアナ高地付近まで広い範囲に生息していますが、その生態は今でも知られていないことが多くとても神秘な動物です。

顔には立派なあごひげを持ち、頭上には盛り上がった2つの毛冠、長い尻尾には先端までふさふさの体毛が生え揃っています。しかし来園者の方々には大変恐縮なことですが、第2小型サル舎前で看板を見てその姿を探していますが、姿を見たことがある人は大変ラッキーな方です。

性格は大変臆病で、人の姿を見るとすぐに隠れてしまいます。飼育員でも寝室の箱の中をそっと覗かないかぎりは見ることが出来ません。慣れるまでには1年以上も掛かるそうです。

なんとこんなに神経質で臆病な2頭に待望の「赤ちゃん」が3月1日に生まれました。
日本ではクロヒゲサキの赤ちゃんが生まれたことも初めてで驚きなのですが、この驚きと感激の背景には飼育員の弛みない努力と苦労がありました。苦労話は次回に掲載したいと思います。

読者の皆さんが紙面を目にする頃はひょとしたら可愛い赤ちゃんの姿が見られるかもしれません。サル舎の前で頑張ってみてください。

コモンマーモセットの赤ちゃんも1月26日に2頭生まれましたが、数日後に1頭が死亡してしまい、残りの1頭も衰弱してきたため、現在人工哺育をしています。ミルクの飲みも安定し、今ではバナナも少し食べるようになって来ました。暖かくなる頃には元気な姿をお見せすることができると思います。

175号の2ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ