でっきぶらし(News Paper)

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31号(1983年01月)6ページ

動物病院だより

1982年もあっという間に過ぎてしまった。振り返ってみると、数字的に言えば、出産は31種81点、死亡は78点と現状維持の年だったようである。この中で印象深かった事がらをあげてみたいと思う。
まず、1月4日、チンパンジーのデージーが流産してしまい、翌5日には、ベンガルトラのオスが、餌の馬肉をのどにつかえ窒息死。1月20日には人工哺育で大きくなったオグロワラビー(BiBi)の袋の中に、小ちゃな赤ちゃんを発見!(残念ながら7月19日に袋から落ち、4日後に死亡してしまった。しかし、次の子が10月20日に確認されている。)
2月6日にはマサイキリンの徳子の出産。その後、人工哺育にきりかえ、無事成育。
2月15日には、オランウータンのメス(ユミ)が肺炎で死亡。
3月27日には、ボアコンストリクターが14頭を出産。(現在8頭が成育している。)
4月4日には、アメリカバイソンのオスが基底細胞癌で死亡した。このオスは今までに、12頭の父親になっている。
5月24日には、チリーフラミンゴが初めて産卵する。10月19にまでに22個産卵し、2個孵化するが育たず。
5月31日には、オランウータンが出産。オスの子でジュンという名前で、介添保育で元気に育っている。
6月1日には、ゴリラのメスが発熱、咳、鼻汁が認められ、食欲不振となる。その後オスが同症状になり、治療を行う。2週間かかり回復する。
6月3日には、フロリダキングヘビが、8個産卵する。内7月17日に3個、18日に2個、20日に2個孵化する。
7月31日には、アメリカバイソンのメス(シズカ)が、羊水過多症で死亡した。
8月17日には、中国、西安市動物園にクロヒョウ1番、ダチョウ1羽を贈呈の為、柳川元園長、三宅、鳥羽飼育課員が出張、8月24日帰国する。
10月2日には、ワライカワセミ4羽が来園。
10月8日には、西安市動物園からレッサーパンダのメス1頭、ベンガルヤマネコ1番が寄贈される。
12月16日には、クロヒョウの子(10月17日生)が後肢マヒしたため人工哺育に切りかえる。
12月21日には、ナマケグマが出産した後、食殺と死亡で失敗する。
以上が主なできごとであった。
毎夕、園内を見回った後、獣医日誌を記載している。何事もなければ、「診療事項なし」と記入する。1年を通してみると、平穏無事な日は少なく、「診療事項なし」と記入されているのは、わずか23ページしかなかった。
1983年は、めでたいことでページをうめたいものである。
(八木智子)

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