でっきぶらし(News Paper)

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137号(2000年09月)6ページ

【社会貢献体験研修】 岡部町立岡部中学校教諭 柴田暢彦

 社会貢献活動で、自分で体験先を選べると言うことを知った私は、リストの中に日本平動物園を見つけ、「よし、これだ」と思った。日本平動物園といえば、私が子どもの頃、家族でよく出かけたお気に入りの場所であり、子どもだった私は、ホッキョクグマやキリン、ゾウなどを見に行くのを楽しみにしていた。

 日本平動物園に受け入れていただけることになり、事前の打ち合わせに行ったところ、子供動物園で実習することになった。「動物が嫌いな人はここには来 ないと思うからいいけど、ヘビがいるのでもしかしたら・・・」と飼育課長は言葉を濁した。実は私は、ハ虫類が苦手だった。 打ち合わせを終えた私は、子供動物園に向かった。「どんなものだろうか。」ドキドキしながら展示室をのぞいた。いた。インドニシキヘビ、体長3.8メートル、体重26?s、年令20 歳。すごくビックなやつだ。解説を見ると「野生では、シカ、サルを好んで食べる。」と書いてあった翌日職場の人に話をすると、「これはおもしろい。」「柴田ニシキヘビと格闘。」などという言葉が飛び交い、実習前日には「しっかりヘビを触ってこいよ。」と送り出された。 幼児教室が行われる中、「こっち来て。」と呼ばれていくと「ヘビ大丈夫?おなかのところ持って。」「あっ、はい。」何と考える暇もなく私はニシキヘビを持っていた。カサカサしているとは聞いていたものの、見た目は湿り気があるのではと思っていたが、うろこが硬く乾燥した肌触りには驚いた。一回うまくいくと不思議なもので、次からは得意になって持っていた。職場に帰って「ニシキヘビはかわいいもんだ。」と得意になったのは言うまでもない。

 もう一つ、ここにお世話にならなければできなかたこと。それは、レッサーパンダの糞を手づかみにしたことだ。動物の糞を手づかみにできるなんて夢にも思わなかった。糞は臭くてたまらないもの、そんなイメージが見事に振り浮?れた。「笹の葉を食べた後だから臭くない。」これは驚きだった。レッサーパンダの食事も手が込んでいた。ふかしたサツマイモ、煮たニンジン、オレンジ、ぶどう、バナナ、煮干し、粉ミルク,ビタミン剤。私の作った餌をおいしそうに食べる姿を見るのはうれしかった。

 私にとってこの二日間はすごく楽しいことばかりでした。飼育係の方々にとっては、私にはわからないもっと大変なことが山ほどあることだろうと思います。夏の暑い中、これからの厳しい寒さの中、私には到底耐えられないであろう仕事をしている飼育係の方々はすごいと思います。自分に任された動物の飼育に責任と愛情を持ってあたっている飼育係の方々を見ていると、「自分の仕事には責任と誇りを持て。」と言われているような気がしました。私も飼育係の方々に負けないよう「自分の仕事に責任と誇りを持ち」がんばっていきたいと思います。いつまでも人々に夢を与えられる動物園でいて下さい。受け入れて下さった園長様、飼育課長大村様、実習をして下さった岩田様はじめ飼育係の方々、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。

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