でっきぶらし(News Paper)

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137号(2000年09月)7ページ

【動物園飼育実習を終えて】  日本獣医畜産大学 畜産学科3年 片山

 動物園での飼育実習は乳牛の飼育管理をする牧場実習と作業内容は違うものの、基本的なことは同じように思いました。動物を第一に考えることや飼育環境を整えるということなどです。実習中、私のような普段見慣れない人がいると動物たちは不安がったり怒ったりしました。乳牛もいつもいてくれる人でない人が搾乳したり、周りをうろうろすると緊張したり不安になり、普段ほど牛乳を出さないこともあります。人から見たら些細な変化が動物たちにとってはそうではありません。それはやはり人が動物を飼育管理する時に、人の尺度で見てはいけないと言うことだと思います。そうすることにより、動物の健康や精神状態が悪くなることがあるからです。動物たちの健康チェックするために糞の状態、毛の艶、目つきなどを飼育係の皆さんは常に見ていましたし、近づくときは音や声で知らせていました。これも動物たちに対する配慮だと思いました。皆さんが当たり前のようにしていることが私にとっては勉強になりました。動物のことを勉強する大学に通いながらもあまり動物の飼育管理の機会がなく、講義だけで終わってしまいがちなのですが、この実習のおかげで講義も身をもって理解することが出来ました。例えば獣舎の掃除をしたり、その個体をよく観察して、初めて糞や抜け毛や食べ残しを見て健康状態を知ることが出来ます実際目で見たり、臭いをかいだりという感覚的なことは教室では出来ません。実習の目的はそういうことにもあるのだろうと思いました。

 飼育係のみなさんがとても多くの動物のこと勉強していて、熱心に飼育しているのを見て、いかに自分が勉強不足であるか思い知らされました。それも現場を見て今の自分を知るという点で実習の一つなのだと思いました。
 何も知らず何もできない私が、実習とは言ってもただ仕事の邪魔をしに行ったようなものですが、少しでも現場を見て、経験できたことはとても良かったと思います。それも飼育課の皆さんが親切に指導して下さったお陰です。本当にありがとうございました。この経験をこれからの勉強に活かして将来に向け頑張って行きたいと思います。

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