でっきぶらし(News Paper)

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130号(1999年07月)8ページ

病院だより《野生傷病保護動物の推移》

 4月から8月までの保護頭羽数を種類別に集計すると、
 1位ツバメ105
 2位ムクドリ41
 3位スズメ36
 4位キジバト22
 5位カルガモ18
 6位カラス16
 7位ドバト14
 8位タヌキ12
 9位ヒメアマツバメ12
 10位モズ8
他43種の動物が保護され、手当を受けています。
 一方、保護された動物が傷を癒し、自然にもどったものは、アオゲラ、オオコノハズク、オオルリなど19種が100%と高率な値で自然に帰っていきました。しかしこれら19種はその殆どが1〜2羽と少数なため、高い値を示しただけなんですけど。
 保護された数が多いツバメ、キジバト、スズメについて、何故多いのか一考察。
 
 ツバメは日本でも4〜5種認めますが、ツバメは益鳥として大勢の人から親しまれている鳥で、他にあまり例を見ません。それは、人家に巣作りし、育雛の全てを人前に曝し、人間形成としての情操教育に資するところが大です。それ故に暇を見つけては巣を眺め、中の様子を想像するなど多くの人の注目を集め、関心も深いようです。
 キジバト(別名ヤマバト)。日本では数種ほどのハトが棲息しているといわれていますが、私自身、3種しか見たことがありません。
 しかし、近年市街地でキジバトを私はよく見ます。これは、キジバトが山を降りて市街地の鳥になりつつあるためで、餌と安全性の面で市街地の方が棲みやすいと判断した結果でしょう。
 スズメほど人間を必要とし、近くて遠い鳥はいません。冬の日溜りで、餌付けを始めても、すぐには来てくれませんが、一旦スズメが来てくれるようになると、次の日から他の小鳥たちがどんどん来るようになります。こうなるとスズメは邪魔だから、もう来なくてもいいと、人間は身勝手な思いにかられます。そんな時でも彼らは文句を言わないし、カラスのようなしつこさもありません。そこがスズメの賢さで、徹底的に嫌われない理由でもあります。ツバメと同様、人間に深い関心を示させてくれる鳥です。

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