でっきぶらし(News Paper)

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54号(1986年11月)16ページ

動物園こぼればなし ◎漢方医学に敬服

ココノオビアルマジロの手足の裏側はとてもやわらかい為、傷つけたり、すれないように展示室の床には細かい砂が敷いてあります。それでも怪我をすることがあり、ある日足が化膿して赤くはれてしまった為、入院させ治療することにしました。
傷口に抗生物質のスプレーをかけたり、ヨードチンキを塗ったりしましたが、一向に良くなりません。いろいろ試してみましたが、今一効果が現れず、悩んでいました。そんな時、入院動物の世話をしている清水飼育課員が、「僕達の方じゃ怪我をするとヘビイチゴを焼酎につけておいた液を塗るよ」と一言ぽつり。
さっそくその秘伝の漢方薬を作ってもらい、赤くはれたアルマジロの足に塗ってみました。するとあれ不思議、今まで赤くはれていた足が、次第に赤味もきえ、膿汁もでなくなり、とうとう治ってしまいました。
あれだけいろいろな薬を変えて治らなかったのに・・・。
昔からの言い伝えられている手当てのしかたは、すごいものだと改めて感心させられました。
そこで今年は、ヘビイチゴの焼酎漬けをビン3本作りました。
この事件以来、この妙薬のうわさは拡がり私達の職業病(?)である「ミズムシ」にも効果があるとかで、どうやらヘビイチゴの焼酎漬けは、常備薬になりつつありそうです。
あなたも一度、お試しになりませんか?
(飼育課員 八木智子)

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