でっきぶらし(News Paper)

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61号(1988年01月)12ページ

動物園こぼればなし 〜 動物病院の歳時記 〜

 日本平動物園には、哺乳類、爬虫類その他含め凡そ、210種968点に及ぶ動物達が飼育展示されております。
 この動物達の健康を守る為に大きな役割を果たしている所が動物病院です。
入院する動物には先ず、傷病によるもの、保護鳥及び動物で治療を必要とするもの、その他に検疫を必要とする動物と様々です。
 この様な時、動物達との面会は、職員でも出来ない場合があります。
 入院中の動物には、安静が絶対条件なのです。
 では最近の、病院の状況を2〜3取りあげてみましょう。
 シンリンオオカミのペアーは、暮も押し詰まる25日頃検疫の為、病院に入って来ました。そして5日後に猛獣舎に移り、最近では、徐々に人気が高まって来ています。
 次にツチブタ君、肢の具合を悪くして入院をしたものの、病室が狭いなぁーと云った表情です。
 鼻先に特窒フある動物ですが、安静に出来るのが何よりのようです。
 退院する動物を見ると、うれしいですね。いつになく大暴れをする感じさえします。
 放鳥後は大空に向って飛んで行きますが、厳しい自然が待ち受けています。
 特に海岸での放鳥後は、鳥が見えなくなるまで見送っています。この日の安倍川河口や久能の海岸はその時に限って荒れ模様に感じます。
 一方病院付近で放された鳥の中には、飛ぶことが出来なかったり、舞い戻って来るのもいます。
 この様に動物病院での出来事は、年中変化してきています。動物の幸、不幸を垣間見る飼育係としては仕事冥利に尽きると思っています。
 唯、傷病動物の入院は歓迎したくないものです。
(飼育課員 佐野豊)

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