でっきぶらし(News Paper)

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43号(1985年02月)6ページ

良母愚母 第四回【インドゾウ(良母愚母の影も見えない)】

 ウンピョウ以上に主題から外れます。ウンピョウにはオスがいました。インドゾウはメス二頭だけ。繁殖の可能性は一%もないのです。主題から外れるのも当たり前ですね。
 他園はどうなるのでしょう。ほとんど同じ状況に置かれています。恐らくオスを飼育している動物園は、五〜六園しかないのではないでしょうか。日本の動物園で、繁殖例のない大きな理由です。
 オスに発情が来て猛り狂った時の状況は、想像がつきません。実際にある動物園では、どうしようもなく荒くなった為、電流の通っている手鉤で言うことを聞かせようとしたのですが、それすらも奪いに来てしまうので、ほとほと手を焼いてしまっているそうです。
 年頃を迎えている、ダンボ、シャンティにお婿さんをと思っても、簡単にゆかない理由はそこにあります。でも、いつまでも放置できない問題であることも事実です。特にインドゾウは数が減り、アフリカゾウ以上に入手が困難になっています。
 動物園自らの手によって繁殖を計る、野生での数が減っている現状では、最も大きな課題と言えるでしょう。

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