でっきぶらし(News Paper)

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100号(1994年07月)9ページ

「でっきぶらし」百号記念特集 アクシスシカ(育つ子は愚母に・・・)

生まれたばかりの子は羊水でびっしょりぬれています。布やわらでふいてもなかなか乾かない体も、母親が舐めると不思議とよく乾きます。母親はそれを知ってか知らずか、ひたすら無心に舐め続けるのです。
残念なのは、そうして育てられた当園の子が一人前になっても、先に述べた行為を全くやろうとしないことです。つい最近も生まれたばかりの子がカラスに殺されてしまって・・・現象面だけを見れば「にっくきカラスめ」ですが、実際にはそれ以前の”育児放棄”こそ問題とすべきでしょう。
かつて、膣脱を起こして死んだ長女が全く母性愛を示したことがなければ、今いる次女もどうやら仲間入りです。子を舐めもしなければ、かばった形跡もないのですから。
母親の愛情を充分に受けて育ちながらどうしてなのでしょう。飼育下の異変と言えば異変、何が母性愛を失わせてしまったのか解せず頭を抱え込んでしまうばかりです。
(第38号・良母愚母・第五回より要旨抜粋)

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