でっきぶらし(News Paper)

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62号(1988年03月)2ページ

レンズから見た動物達「3度目の正直」

 以前、アシカを撮りたくて粘ったことがありました。アシカのオスが泳いでこちらに向かって来る所をアップで!!と自分で勝手に構図を描いていざ出発・・・。
 ところがアシカ池に着くと皆、丘の上で昼寝。こうなると待てど暮らせど泳いでくれません。仕方なく引き上げ、後日再挑戦することにしました。
 時間的には、午後の3時頃、餌の時間が近づいてくると水の中に入り、せわしなく泳ぎ始めます。そんな時がチャンスです。よーく観察していると、泳ぐコースが全く同じです。8の字を書くように泳ぎ、潜る場所、顔を出す場所が決まっているのがわかります。
 次は写す場所を決めます。こんな時は飼育係の特権を生かし、人止め柵の中へ。そしてなるべく水面の近くをと思い、寝転がるようにしてカメラを構え、狙った場所でピントを合わせて待つことしばし・・・。 
 しかし、いつまで経っても出てきません。おかしいなあと思い、ファインダーから目を離し池を見ると、なんとコースを変えて泳いでいるではありませんか。そうなんです。変な奴が変な物を持って柵の中に入って来た為に、警戒してコースを変更してしまっていたのです。またもや失敗!!後日再々挑戦することにしました。
 今度は時間をたっぷり取り、どっかりと坐り込んでじっと我慢の子を決め込みました。初めの内うちは別のコースを泳いでいたオスも、やがてお腹が空いてくると、こちらの存在など構っていられない様子で無視。いつものコースを泳ぎ始めました。粘ること3度目でした。
(鈴木和明)

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