でっきぶらし(News Paper)

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125号(1998年09月)2ページ

マサイキリンのオス アメリカより来園

 開園以来当園ではマサイキリンを飼育してきました。開園当時小さかったオスの富士男とメスの高子も順調に大きくなり、5頭の子供に恵まれました。
 その後、世代は変わり、高子の娘が生んだオスのシロウと、宮崎フェニックスより来園したメスのキッコと王子動物園より来園したメスのイクの間で繁殖をめざしたのですが、一昨年4月にはイクが、そして昨年9月にはシロウが急死してしまいました。
 1頭になってしまったキッコはさみしそうに見え、獣舎もやたら広く感じられました。何とか早くオスをと、マサイキリンを飼育している国内の動物園にラブコールを送ったのですが、残念ながら思うように事は進みませんでした。
 そこで海外に目を向け相手を捜すことになりました。そして動物業者より何とか10月にはと連絡が入り、皆で首を長ーくして待っていたのです。
 入国して2週間の検疫を終え、10月2日11時に横浜の検疫所を出発したとの連絡が入り、いよいよといった緊張感と期待感が園内の職員の間に広がりました。
 午後3時過ぎに「キリンが到着しました」と無線が入り、キリン舎の前にトラックが近づいてきました。何とか寝室の前に輸送箱をセット、いよいよ輸送箱の入口の板をはずしました。この時が一番事故がおきやすいのです。暴れないようにと祈りながら数人がかりで板がはずされました。
 すると彼はのんびりと箱から寝室に移動し、なんと真っ先に餌箱のところに行き、乾草を食べ始めたのです。この落ち着き、すばらしい!
 キッコとは檻越しに見合いを行ない、放飼場で一緒にしてみるとキッコの方が落ち着かない様子、それに引きかえ彼の方はのんびりと景色を楽しんでいる様子でした。
 その後キッコも落ち着きを取り戻し、2頭で寄り添っている姿が見られています。
 オスは1996年7月6日生まれですから現在2才4ヶ月とまだ幼いので、繁殖までにはあと4、5年かかると思います。それまでじっと見守ってくださいネ!

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