でっきぶらし(News Paper)

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103号(1995年01月)5ページ

子供動物園 小春日和

 お客様は何を望まれているのでしょう。柵の隙間から出て周辺を自由に散策している子ヤギを見て、驚きと喜びの表情を示されるお客様は少なくありません。
 動物園といえども、どの動物でも自由に触れる訳ではないのです。いえ、主体は野生動物です。厳格に一定の距離をおくのは、お客様どころか直接飼育している私達にさえ求められます。
 しかし、お客様の動物を見つめる眼差しは、少なからずペットを見つめる延長線上です。触りたい、抱きたい、遊びたい、の意思表示がありありです。 
 一方で囲いの中に入っていて当たり前の意識を持たれています。自由に散策している子ヤギを見て驚き喜びの表情を示されるのは、多分にその辺のギャップが生じる故でしょう。
 そんな心の内を察するのが、子供動物園で働く者に必要な気配り、と言えなくもないでしょう。お客様の素直な笑顔を見られる、私達も楽しくなってきます。

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