103号(1995年01月)6ページ
子供動物園 小春日和 「耳は持たないでネ」
「今日はウサギは出さないのですか」「すみません。ウサギは何時頃に出しますか」ちょっと園内が賑わってきたなと思うと、よくそう問いかけられます。
私達にしてみれば、さして魅力を感じる動物ではありませんが、お客様にとっては違います。愛らしいイメージを描いて、それをそのまま壊さずに接することのできる数少ない動物のひとつです。
論より証拠、触れ合い広場に放てばとたんに人の山ができます。主に親子です。でもよく見ていると、若いグループでもけっこう楽しんでいますし、親子も、子が楽しんでいる以上に親が子をダシにしている感もなきにしもあらずです。
ただ、時折耳を引っ張って乱暴に抱き上げる行動が見られます。ウサギにとっていちばんいやな扱われ方だけに、ハラッ、ドキッとし、痛々しくも感じられます。おとなしい動物です。やさしく抱いてあげてください。