103号(1995年01月)8ページ
子供動物園 小春日和 「にょろにょろのお出まし」
暖かければ、ヘビも出てきます。子供動物園にヘビがいるなんて、変に思われるでしょうか。ガラス越しの部屋に何がいるのかと覗けば、三メートルはあるインドニシキヘビが二匹、ギャーッと悲鳴を聞くことも少なからずあります。
見るだけでも嫌われるのに、わざわざ出すなんて一見無粋なサービスです。でも、ヘビは逆論的な人気を保っているチャンピオンです。恐いから、気持ち悪そうだから、かえって触りたい、触った感じはどうなんだろうか、そんな気持ちは思いの他強いものなのです。
これも論より証拠。最初は遠巻きにしているお客様が、好奇心の強い誰かが触ると後はもみくちゃにならないまでも、距離はなくなってしまいます。
「へえー、意外とさらさらしているのね」「かまない?おとなしいんだねa[」「ふうん、あったかいんだね。もっと冷たいかと思ったよ」とめいめいが思い思いの感想を述べ、ひとしきりの感心と感動にひたってゆかれます。
これも