103号(1995年01月)11ページ
子供動物園 小春日和 「やくな、トモコ」
のどかな光景は家畜が主体、しかも一緒に遊べて楽しめるが故でしょう。動物の治療ひとつにしたって、悲壮感がありません。(野生の動物はとことん抵抗します)
ロバのトモコのやきもちも、おもしろおかしく映ります。というのも、相方のマコは相当の老齢で、担当者の厚遇を受けているのがそもそもの原因です。
マコ、体力が落ちこんで立てなくなったのも一度や二度ではありません。二年前に担当した時も、後二、三ヶ月も生きていてくれれば上等だろう、とさえ思っていたぐらいです。
あとわずかな命と思えば、やはり大事にしてやろうとの気持ちになります。特別待遇にしてしまいます。かつての担当者の熱い思いも、心の片隅にありました。
でもこれは言葉を変えればえこひいきです。一緒にいる者にしてみれば、なんでアイツだけが、との思いにとらわれたとしても何の不思議もありません。
たいていはマコ優先です。メスのトモコは放飼場にしても餌をもらうのも後回しです。好物もマコよりは少な目です。
やかない筈がありません。時たま憎ったらしそうにマコにかみつきにかかったり、自分の餌を横取りにきたところを蹴飛ばしたりするのを見ると、ちょっぴり反省してしまいますが、かといって大事にしない訳にも・・・。
言葉が通じるのなら、「喧嘩相手がいつまでもいるのはいいもんだぞ」と言いたいところですが、気持ちを伝えるのはなかなかむずかしいものです。