103号(1995年01月)15ページ
子供動物園 小春日和 「御用だ ヒツジのクロベエ」
ヒツジに名前はありません。シロとクロがいるので、とりあえずシロベエとクロベエと呼ばせていただきましょう。
シロベエのほうは、ヤギのサンタローと同じで人工哺育で育ちました。当然、人間大好きです。柵に目一杯近づき、人に触られて喜んでいます。
片やクロベエは母親に育てられ、かつシロベエの影響を受けることなし。もう、お分かりでしょう。家畜らしくなく、人懐っこさは全くありません。私達がちょっとでも近寄ればすぐさま逃げ出します。
そんな奴に限って、病気や怪我をするのです。以前からふわふわしている毛が妙に抜けるのでおかしいと思っていたら、皮膚病にかかっているとのこと。治療するにはつかまえるしかありません。
で、やったのが追っかけ回し。毛が長いのでつかまえるのは簡単。観念させるのにそう時間は要しませんでした。日ごろの恨みはないけれど、治療の為だ、覚悟、御用って訳です。
いざつかまえると、やはり家畜です。体重は50kgはあるでしょうから観念してくれなければ、こちらが吹っ飛ばされます。でも、首に腕を巻いただけでおとなしくなってしまうのです。皮膚病、簡単に治るでしょう。