でっきぶらし(News Paper)

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151号(2003年01月)6ページ

私のボランティア活動  山之内泰司

ガイドボランティアに参加して丸2年が立ちました。トラ班での月1回のガイドやふれあい班での週1回の活動を行っています。

 2年前、私はボランティアに参加することの知識や責任感、ましてや楽しみ方など全く想像もできない民間社会人の中年でした。それが、静岡市の南部図書館でボランティア募集のポスターを見たとき、フッと30年以上前に両親が動物園で撮ってくれた子供時代の写真を思い出し、何となく懐かしくて応募したのです(その動物園というのは今はなき四国の道後動物園で、サファリタイプでは無くて日本平動物園に近い感じがあった)。しかし、説明会に行く前日も憂鬱で後日妻から「行くのやめようかな・・・」って独り言をいってたよ、と言われた程でした。
それが、今や子供からも「今日も動物園に行くの。暇だね」と言われるように成長(?)しました。なぜ、こんなに参加するようになったのか?自分なりに考えて見ると、ガイド担当のトラのトシandナナも可愛いし(チョット恐いけど)、ふれあい班でのポニーのポンとチェリーも飼い主みたいに親近感があります。また、園内の飼育員さんとの会話も勉強になったり、俗世間的なものだったりして大変楽しく過ごさせてもらっています。でも、一番楽しい時間は、お客さんとのコミュニケーションを取っている時ですネ。

 たとえばのその?@。トラのガイド説明をしているとお客さんから「へa[」とか「そうなんだ」みたいな言葉を頂いた時や最後に拍手を頂くと時間を延長して年甲斐もなく乗り乗りでやってしまいます。(鼻高々でも後でグッタリand喉カラカラ)。

 その?A。これは私の密かな楽しみ方ですが、ヘビのふれあいを年数回やるのですが、その時などに初デートのようなカップルとか見た目が不良そうな(鼻にリングとか・・)青年とか、子供にだけ「さわって来たら」とか言っている両親にわざと声を掛けていじわるく参加を促した時のお客さんの反応は、心の中で思わず「ニャッ」って感じはなかなか捨て難いものがあります。これからは、このような気持ちを持たないよう反省しておりますので、皆さん、また足を御運びください。

 その?B。これはいい話なので数?聞いてください。暖かい晴れた日曜日のことでした。いつものようにポニーのポンちゃんとふれあいの記念撮影をしている時に、横のベンチで写生をしている家族(お母さんと5才と3才ぐらいの姉妹)がおりました。おねえちゃんが写生の合間にやたらと「ポニーの名前は」とか聞きにきました。その時は何気なく素直に質問に答えていました。多分そのおねえちゃんは、本日トップのお客さんだと記憶しております。お昼休憩が近づいたころ、そのおねえちゃんが私の所へ歩みよって一言「おじちゃんこれ」と手渡してくれた一枚の紙切れ。その時は、お客さんも多く結構忙しい頃でしたので「ありがとう」とお礼だけ言って活動に戻りました。お昼休みになり片付けを終えボランティアルームに引き上げ、その紙切れをじっくり見た時の感激は忘れられません。その紙切れには、左側にポニーのメスのポンちゃん、右側にオスのチェリーが描かれてあり、中央に20年前と思しきエプロン姿の私が描かれていたのです。ちゃんと色が塗ってあり、ポニーの名前もオールひらがなで書いてあり(ちなみに私の名前はおにいちゃんでした)しかも、私の顔の表情が満面の笑顔でした。近年にない感動の、涙物の絵でした。もう一度お礼を言おうと現場へ行きましたが、その家族はすでに、その場にはいませんでした。あの時、もう少しちゃんと絵を見ていればと思って後悔しています。でも、それからがまた感動物で。ボランティアルームに引き上げた後、周りの数人に、こんなことがあったんだよと話したら、みんな自分のことのように「良かったね」といっしょになって喜んでくれたことがまた嬉しかった。誰でもこんなことがあるとやめられませんよネェ。今でもその絵は、私にとっては妻の次に宝物(ゴマスリスリ)です。

 ここでガイドボランティアをやっていると思わぬ失敗や暑さ寒さ等いろんなトラブルがありますが、今のような仲間をいっぱい増やしてこれからも、みんなの笑顔をいただけるように頑張っていきたいと思います。

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