でっきぶらし(News Paper)

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103号(1995年01月)16ページ

日本平の好記録・珍記録 〜 カリフォルニアアシカ 〜

1969年の開園以来生きている動物も、本当に数える程になりました。その中にペアで残っているのは、このカリフォルニアアシカだけです。
今回、このアシカ達の25年間をまとめてみましたが、あまり好記録も珍記録もなく平凡な記録でした。
現在飼育しているアシカは4頭(♂1♀3)で、この内♂のボス、♀のチビは、国内でも最高令に近い老年です。
今までに、日本平では、4頭の♀から早産を含めて計24頭の子が生れ、その内10頭が育っています。(表1)まずジュンは、11頭(♂5♀5?1)出産し、生育は4頭。チビは8頭(♂4♀4)出産で2頭生育。エルは4頭(♂1♀3)出産し全部生育。若い♀は本年初めて出産しましたが死んでいます。これらの♂親は全部ボスですので近親交配もありました。そこでエルは神戸の動物園に移動していきました。
出産月は、3月、4月の早産を除くと、5月9回、6月12回、7月1回でした。
ところで、アシカ池には開園時から1頭のトドが同居していましたが、体の大きいトドは、当然のようにボス的存在で、アシカのボスは小さくなっている事が多かったのです。その為か、初めの頃は、子が生まれても殆ど育たなかったのです。しかし、そのトドが1981年に死んでいなくなってからは、子の生存率がぐっと良くなっています。トドのいる間は11頭中2頭成育が、いない後は11頭中8頭成育しているのです。やはりアシカの♀達にとって、トドは危害は加えないものの、精神的には、相当の圧力があったようです。
これら育った子供達にも色々の思い出があります。独身寮の風呂場で離乳させた「太郎」。人工哺育で、何回も下痢で死にかけた「リキ」等々。今でも移動した園で元気でいるでしょう。
現在チビは10年以上子を産んでいません。ボスももう26才。うまく世代交代させる、そんな時期にもう来ているようです。
(三宅隆)

<表1 アシカの繁殖状況>
(ジュン) (チビ) (エル) 備考
(1974) 5/21♀死
(1975) 6/5♂死
(1976) 5/16♂死 4/11♀早産死
(1977) 5/17♀死
(1978) 6/11♀死 5/24♀死
(1979) 6/12♂生 「太郎」下田へ
(1980) 6/23♀死 5/30♂死
(1981) 6/30♀死 6/14♂生 「ジロー」伊勢へ
(1982) 6/5 ♂死 5/22♂死 トド6/7死亡
(1983) 6/11♀生 「エル」神戸へ(93.2)
(1984) 3/9?早産死
(1985)
(1986) 6/30♂生 「エム」三津へ
(1987) 6/29♂生 5/21♂生 「シロー」「リキ」三津へ
(1988) 5/26♀生 「セーラ」三津へ
(1989) 7/8♀生 6/7♀生 「アッコ」「ノン」富士へ
(1990) 6/14♀生 「ハーイ」
(1991)
(1992) ジュン1/15死亡
(1993)
(計) 11(♂5♀5?1) 8(♂4♀4) 4(♂1♀3)

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