39号(1984年06月)14ページ
病院だより
今月は、いろいろな動物が生まれました。まずは3日に、モンキーアパートにいるブラッザグェノンが、6年連続出産しました。じつはこのお母さんは、傷を負って入院し、前日に退院したばかりで、危機一髪のところでした。入院中に傷の治療のため麻酔をしたので、子にその影響がないか心配でしたが、出産後お母さんの胸にしがみついて順調に成育しています。ところが、それから2週間後に、たぶんオスにやられたと思いますが、母親が左腕をかまれて、再び治療を行ないました。
続いて7日には、アメリカバイソンが出産しました。夕方5時ごろより陣痛がみられましたが、なかなか子がでてきません。4時間ぐらい経過してもでてきません。『こりゃ、難産だ!!』すぐに麻酔をし、角をサクにしばりつけ、3人ぐらいでひっぱり、みてみると子供の足が、まがって出口をふさいでいました。そこで、もとにもどし、こちらも3人で陣痛にあわせて、ひっぱり出しました。子供はメスで、今では放飼場を走りまわっています。
8日には、バーバリシープが生まれ、10日にはキジの仲間であるヒオドシジュケイが孵化しています。
そして29日早朝、ヒトコブラクダの赤ちゃんが4年ぶりに生まれました。草食獣は、生まれてすぐに自分で起きあがり、親のあとをついて歩いていくものですが、この赤ちゃんはなかなか立とうとしません。そのため、午後2時に、介添で立たせてみました。足がとっても長く、今にも倒れそうといった感じで、とても自力で立っていられないようです。これではとても母乳を飲みに行く事はできません。体力をつけるために、牛乳を飲ませましたが、一気に飲んでしまいました。
これから、うまく育ってくれるか、来月号でまたお知らせしたいと思います。
(八木智子)