でっきぶらし(News Paper)

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152号(2003年03月)5ページ

病院だより  「小型サル舎の食中毒事件簿」

 4月頃からリスザルたちの採食量が減退し始め、放飼場には下痢便も認められた。よくよく床を観察するとそこにはネズミの糞らしき物が見られた。やがて2頭の個体が削痩、食欲廃絶に陥り入院。入院したリスザルの糞便検査をしてみると、彼らのお腹の中に悪玉の病原菌がいることが判明し、残りの7頭も感染の疑いがあるため緊急入院。また、第二小型サル舎に居住する他のサルたちも感染している可能性が示唆されたため全頭の検便を行う。その結果リスザル9頭、エリマキキツネザル2頭、シロガオサキ2頭が入院生活を送ることになりました。さあーこれからが大変、病院はサル達で一杯、毎日1頭ずつ検疫室のゲージ内で注射器片手に治療開始。

 お陰様で病状の進行が緩慢な事と早期発見が功を奏し病状は少しずつ快復に向かっています。シロガオサキは抵抗力が強かったため1週間ほどで退院することが出来ました。残りのサル達も6月ご頃の退院を目指して体力の回復を図っています。今回の食中毒の原因はネズミの糞中の病原菌が彼らの手に付き、そして汚染された手で食べ物をつかみ病原菌が口の中へと侵入したためです。          

  読者の皆さんも、今世界中で猛威を振るい、且つ、毎日のようにテレビなどで耳にしている新型肺炎(SARS)。いつ日本に侵入してくるのか心配です。表紙にもあったように、過剰に心配する必要はありません。今回の小型サル舎での食中毒事件も、サル達が手洗いをしっかり出きれば起こらなかったことですが、サル達に手洗いをさせるのはやっぱり無理なことかな?。

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