でっきぶらし(News Paper)

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153号(2003年05月)6ページ

動物園実習だより/学芸員実習生 静岡大学 河合 健

 自分は今まで動物園というところにあまり行ったことがありませんでした。記憶をたどると、小さいころに家族と何回か行ったくらいで、最近ではほとんど行っていませんでした。なので、博物館実習で自分が日本平動物園に行くことが決まったと時から、ずっとわくわくしていました。動物園とは、家族や友達と楽しく過ごす夢のような場所で、日ごろの現実世界を忘れることのできる場所の一つだと思っています。そんな動物園の裏側を垣間見ることができて、とてもいい経験になりました。

 また、この実習を通して動物園で働いている人がどのような仕事をしているのか、どうやって経営しているのか、ということが、ほんの少しですが知ることができました。実習の初日が閉園日だったのですが、その時にニシキヘビのえさやりを目の当たりにしました。ニシキヘビの部屋で所狭しと逃げ回るねずみを狙いすましたように捕まえるヘビの姿は、今まではテレビでしか見たことがなく、見入ってしまいました。その光景はとてもリアルで、自然界の厳しさを物語っていました。自分は興味をもって見ることができたのですが、小さな子たちにこの光景をそのまま見せることができるかといえば、確かに難しいことだと思いました。日ごろ触れ合っているモルモットやウサギたちが、ヘビたちのえさになっているという事実は、子どもたちがもう少しいろいろなことがわかってからの方がいいかなと思いました。

 この実習中にはポニー乗馬や春の動物園祭りの看板の作成も手伝わせていただきました。カッティングシートを駆使して作ったのですが、これが結構難しくて、てこずってしまいました。字がずれてしまったり、斜めになってしまったりで、仕上げるのに時間がかかりました。普段なら看板を見てもなんにも感じたりしていなかったのですが、一つの看板を作る大変さ、製作者側の意図や思いを目の当たりにしたので、その点も勉強になりました。象のパネルを作ったときもそうだったのですが、自分が作ってきたものが完成したときの達成感はこの上ないもので、それが園内に飾られていくかと思うと、とても気持ちがよくうれしかったです。動物園の仕事は、飼育や運営だけではなく、このような事務的な作業も結構あるということがこの実習を通してわかりました。

 日本平動物園・教育事業研究会の16回ミーティングに参加したときも、動物園の人たちの勉強熱心さに驚きました。現状に満足しておらず、どうすれば今以上の動物園にしていけるかということを、様々な意見を交換し合って話しあいをしていました。今後も整備計画があるということなので、よりよい日本平動物園になっていくことを願っています。2週間という短い期間でしたが、いろいろ経験することができました。ありがとうございました。

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