でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 153号の9ページへ153号の11ページへ »

153号(2003年05月)10ページ

ボランティアコーナー ゾウさん日記 その1/池田 知永

 皆さんは、日本平動物園にいるゾウさんのことを知っていますか?女の子のゾウが2頭いるんです。名前は「ダンボ」と「シャンティ」。年齢は推定37歳と33歳。とても芸達者なゾウさん達で、毎日1時15分頃からトレーニングをしているんです。飼育員さんの誘導に従って歩いたり、足を上げたり、座ってみたり、飼育員さんを背中に乗せてお散歩をすることもあるんです!

 トレーニングは1頭ずつ行って、シャンティのトレーニング中は、ダンボは柵のなかに入れられちゃいます。シャンティの方が大人しいので毎日いろいろとやるのですが、実はダンボのほうが芸達者なんですって!どこが芸達者かって?聞いてビックリしてください!4、5秒ですが、逆立ちをします!。あんなに大きいのに!また、飼育員さんを背中に乗せて、ダンボから見たら小さな石のブロックの上で「チンチン」みたいに両足で立ったりするんですって!(実はこれもこっそり?飼育員さんから聞いたことです。)見てみたいですね〜。でも残念ながらダンボちゃん、ちょっと気性が荒いんです。それで、トレーニングはもっぱらシャンティの方で、ダンボは木の棒を使った遠隔トレーニング(ターゲット・トレーニングと言います)をしているんです。

 でも、やっぱりダンボはシャンティよりもお姉さん。先日、トレーニングを見ていたときのこと、シャンティの足の爪切りを飼育員さんが始めたとき、痛くはないのでしょうけど恐かったのでしょう、シャンティが悲痛な声を出して啼き始始めました。その時、柵の向こうでダンボが座るようにして身構えたのです。これはシャンティをかばったり、助けたいという心配する気持ちの現われと言うことです。

 さらにこの日、シャンティがイライラしてフェンスに体当たりをしているのを見かけました。するとダンボは、すかさずフェンスとシャンティの間に割り込み、それを止めたんです。シャンティが再びフェンスに近寄ろうとすると、やはりダンボは近寄って、シャンティをフェンスから引き離します。少しだけ年上で、ちょっとだけ早くからこの動物園にいたダンボが、ちゃんとシャンティを見守っているのです。
それを見ていて、私はすごく感動しました。ゾウさんの優しい心を、皆さんにも知ってほしいと思います。

 インドでは、ゾウさんの尻尾の毛で指輪を作ってはめると幸せになるといわれています。皆さんも、ゾウさんで癒されてください。

« 153号の9ページへ153号の11ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ