160号(2004年07月)2ページ
サシバエの来襲
動物園では毎年のようにサシバエ対策に頭を悩ましています。それというのも9月頃よりどこからともなくサシバエが大量に発生し動物達に襲いかかるのです。今年は異常気象で猛暑が長く続いた為か例年になくサシバエの数が多く感じられます。サシバエは殆どの動物達に群がり皮膚の柔らかい部分をめがけたり、ほんの少しの傷があればそこに群がり彼等の好きな血液等をたらふく吸うのです。この時多少の痛みが伴います。人では、一瞬ミツバチに刺されたような痛みを感じます。皮膚の厚いゾウやシロサイ、全身厚い毛皮に被われているホッキョクグマや猛獣もその餌食になり動物達へのストレスも心配されます。
傷口に大量に群がる為、傷口への産卵や傷口の化膿などが危惧され、毎日数回傷口の消毒や殺虫剤の噴霧などを行います。本来ならば獣医の仕事かと思われますが、獣医は日頃から注射をしたりして敬遠されているため担当者が信頼関係を保ちながら行っています。この戦いは10月末頃までかかりそうです。