でっきぶらし(News Paper)

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171号(2006年08月)8ページ

動物園実習だより 博物館実習を終えて

くらしき作陽大学 山口 友里

今回、動物園で実習をさせて頂き、私が今まで見てきた動物園とは違った一面を体験することが出来ました。裏方で働かれる方々について知ることにより、動物園の風景が全く違ったものになりました。

園内の至る所で見ることができる展示物や掲示物には手作りの物が多く、温かみに溢れ、とても親しみやすい雰囲気を感じました。この手作りの掲示物も、実際に私が作成する側になって初めて分かった様々な苦労がありました。

どの様にすれば来園者が見やすく、分かりやすいものになるかを常に考え、文字の大きさや配置、色合い等を何度も検討されていました。私も掲示物の作成に携わらせていただきましたが、イベントの内容や場所、時間を記載するというシンプルな掲示物の作成に、とても悩みながら取り組みました。

来園者の方々が実際に掲示物をご覧になられるのは、ほんの数秒かもしれません。そんな限られた中で、何の情報にポイントを置くか、どのようなことをメインに伝えたいのかを明確にし、より分かりやすく伝達するということが、こんなにも大変だということを実感でき、動物園スタッフの方々の苦労がうかがわれました。こういった作業に携わらせていただき、展示ということについて大変勉強になりました。

また、これらの掲示物の管理についても知ることができました。動物園は屋外施設であり、日光や雨、風邪による老化は避けてとおれない問題です。定期的に見回って掲示物の状態を確認し、また掲示物の更新も図り、常に見やすく新しい情報を提供されていました。来園者の方に動物園を過ごしやすい環境として提供していくことは、多くの方の多大な努力によりに成り立っているということを理解しました。

そうして、掲示物が単に動物紹介だけでなく、その他色々な話題を来園者に提供されていて、教育的な意味合いがとても大きいということも知りました。動物園だから動物のみを扱ってさえいれば良いという訳ではなく、やはり「人」を対象とした人間関係が大事だということを実感しました。
外見や行動を含めた動物の持つ情報をいかにして多くの方に伝えていくのか、また、それらの情報の維持・管理に、研究作業と、博物館としての動物園を強く感じました。

今回の実習では管理課にお世話になりましたが、短い期間の中でも他課との連絡や交流を間近で見ることが出来、色々感じ取り学ぶことがとてもありました。様々なイベントを時間・分単位で催し、担当者の方と綿密な打合せを行い、その場の変化や状況によって柔軟な対応等本当に凄いと感じました。

9日間という短い期間でしたが、来園者の方にとって楽しい場所である動物園をつくるためには、動物の飼育からイベントの企画や実施など、様々な仕事が必要であるということを僅かながらも体験することができ、学生最後の夏休みを有意義に過ごせたことを大変感謝しています。  

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