でっきぶらし(News Paper)

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179号(2007年12月)8ページ

獣医実習を終えて

北里大学獣医学科 野村 秀美

 8月20日〜26日の一週間、獣医実習をさせて頂きました。
 午前中は飼育員の方に動物病院内の動物の世話を教わりました。動物病院には多くの動物がいて、病気や怪我をした動物、保護されてきた野生動物、老齢の動物、育児放棄された幼い動物など様々いました。私が思っていたのと違ったのが、鳥類が多かったことです。そのほとんどが保護されてきたそうです。ヒナもよく保護されてくるそうですが、ヒナが地上にいてもそれは飛ぶ練習のためだったり、母親が近くでしっかり見ていたりすることがあるそうです。なのでそのヒナを連れてきてしまうのは誘拐なのだと獣医師の方がおっしゃっていました。一度保護されたヒナは自分で餌をとることを学ぶことが出来ないので自然に返しても生きていけないことがある、ともおっしゃっていました。そういった事を市民の方に知ってもらうことも獣医師の仕事なんだなと思いました。
 午後には獣医師の方にいろいろな仕事を教えて頂きました。その仕事は私が想像していた獣医師らしい仕事から、こんなこともやるのかというようなことまで様々でした。動物園獣医師の仕事は毎日が決まった仕事ではなく、私が実習させて頂いた一週間でもいろいろな仕事がありました。初めて経験することが多く、毎日が充実して一日一日があっという間に過ぎていきました。
 毎日楽しく実習させていただきましたが、一方で動物園獣医師の大変な面も実感しました。ひとつには体力勝負だなというのを実感したことです。一週間毎日暑い日が続き、そんな中掃除から始まり動物園内を歩き回って治療や動物の様子を見に行ったりしなければならないので、私は体力がある方だと思ってはいたのですが、一日中獣医師の方に付いて回り一日が終わる頃にはかなりの疲労感でした。もうひとつは、やはり多くの知識が必要だということです。動物園には多くの種類の動物がいることは当然ですが、さらに多くの種類の野生動物が保護されてきます。それらそれぞれに適切な処置をするためにはとても多くの知識が必要だと思いました。
 一週間の実習でいろいろな事を経験させて頂き、またいろいろな話を聞かせて頂き、今まで以上に動物園獣医師になりたいという気持ちが強くなりました。今回の実習は将来の方向性を決める上で本当にいい経験になりました。
 最後に今回の実習では獣医師の方をはじめ、飼育員の方には大変お世話になりました。楽しく実習できたのは皆さんが優しくご指導してくれたおかげです。ありがとうございました。

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