でっきぶらし(News Paper)

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181号(2008年04月)4ページ

ハラハラさせますクモザル夫婦

2007年7月末にリニューアルとなったクモザル島に理由あって別居中だった夫婦がまた同居を開始。同居開始後しばらくは、オスは以前島で暮らしていた時と同様ささいなことに興奮し、大声でギャーギャーと騒いだり、上半身を水につけバシャバシャさせて誇示行動、ボートをゆすって大騒ぎなどしていましたが、ある時を境におとなしくなりメスに対しても遠慮がちな行動も見受けることもありました。それは発情交尾の前後頃だというのが担当する2人の共通認識。又、その頃よりメスは給餌の為に島に上陸すると寄ってきて、頭の毛や服の裾を引っ張る等以前より積極的な行動をするようになりました。

しばらくしたある日、また寄ってきたなと思っていたら服をかみ引き裂かれると言うことが起こり「何だお前、今まで寄ってきて髪の毛や服の裾を引っ張ったりしたのは怒っていたんだ」、それじゃぁこちらも注意をして給餌の為に上陸をと考えてみましたが、以前のオスのように、興奮してギャーギャー叫びながら走り回っていれば、今日は上陸は止めたとなるわけですが、メスは全くいつもと変わらぬ様子。ボートで島に近づくと寄ってきて、いきなり服をつかみに来たり、ボートをゆすったりしはじめます。その最中の顔は無表情、冷めた顔でこちらを見ながらやるんです。ある意味不気味でオスが向かってくるときよりこわい。だから、毎日ボートで島に向かう時、島の船着き場にメスがちょこんと座って待っている姿はかわいいけれども、餌をまちかねているのか、それともおどかすためにそこにいるのかこちらとしてはドキドキなんです。オスのようにわかりやすい態度で迎えてくれればこちらは心の準備をして島に近づいて行くことが出来るんです。しかし、わかりやすいと言っても大興奮の最中に近づいて行くのは心の準備が出来ていてもこわいかも、そこそこわかりやすい態度でお願いします。

(池ヶ谷 正志)

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