183号(2008年08月)1ページ
新しい仲間たち
空き部屋になっていたホッキョクグマのピンキーがいた獣舎に、愛らしいホッキョクグマの子供(オス、8ヶ月)がやってきました。
この仔は、7月9日にロシアのサンクトペテルブルグ市にあるレニングラード動物園から13時間もの長旅を経て、ロシア人の飼育員二人と共にきました。双子の兄弟だったのですが、一頭は、ドイツの動物園へ行きました。
日本平動物園への到着は、夜の11時半くらいだったのですが、飛行機の中でも同行してくれたロシアの飼育員が頻繁に飲み水をあげたりして面倒を見てくれていたので、ケージから寝室へ移ると元気よく歩き回っていました。長旅でぐったりしているのではないかと、心配していましたが元気な姿を見て立ち会っていた全員がホッとしました。
この仔は、水が大好きでよくプールで泳いだり、浮きや三角コーンのおもちゃでよく遊んでいます。また、大好きな肉や魚をお腹いっぱい食べ終わるとすぐにその場で寝込んでしまいます。ほんとに子供ですね。
日本平動物園のホームページで映像も公開されますので、ぜひご覧になってください。国際血統登録名は、ロシアのピョートル大帝から名付けられた「ピョートル」ですが、動物園での愛称は皆さんから募集しますのでぜひ応募してください。
ホッキョクグマは、ユーラシア大陸とアメリカ大陸の北極圏にすんでおり、地上で暮らす肉食動物の中で最大で、野性での寿命は、25〜30年と言われています。野生での大人のオスの体長は、およそ3m、体重はおよそ400〜600?です。
ピョートルの父親は非常に大きな体で、体重が700?以上もあるようです。きっと、ピョートルも大きく育ってくれるでしょう。でも、赤ちゃんの時はとても小さく、生まれた時の体重はおよそ600〜700gです。ピョートルがまだ巣穴にいる時の赤ちゃんの映像は、動物園のホームページで公開されています。
体重の約30%を脂肪で包まれていて、厚い皮下脂肪があるため、体温が奪われずに寒い北極の氷の海でも生活できますが、逆に蒸し暑いのは大の苦手です。ピョートルが、初めての蒸し暑い日本の夏に早く慣れてくれることを願います。
また、7月12日、待望のマサイキリンの赤ちゃんが誕生しました。性別はオスで、身長184?、体重70?の元気な赤ちゃんです。
当日の朝、破水があり、午後1時33分に無事出産しました。一番心配していたのが、その後自分でしっかり立てるかだったのですが、飼育担当者たちが見守る中、約1時間で無事立ってくれました。
やれやれとホッとしたのも束の間、今度は母親のリンが子供を蹴り倒してしまいました。このままでは、子供が蹴り殺されてしまうため、母親から離しやむなく人工保育に切り替えました。今は、母親代わりの飼育員さんが牛の初乳を毎日飲ませてあげています。
マサイキリンは、国内でも飼育している動物園が少なく、非常に希少な子供なので、元気に育ってほしいと願っています。