191号(2009年12月)3ページ
動物園実習だより
鹿児島大学 農学部 生物生産学科 家畜生産学コース 長谷川 瑞穂
私は9月1日から7日までの1週間日本平動物園にて実習をさせていただきました。
内容は主に園内の動物の餌やり、掃除、通路などの窓ふきなどでした。
初日は川村さんの指導のもと、熱帯鳥館の仕事でオニオオハシ、和鳥、サイチョウ、クイナ、などの飼養管理でした。
鳥の大きさや嘴の特徴に合わせて果物を切る工夫がされてました。ハチドリにはジュースを作り、木につり下げてました。
しかしどうやら私はサイチョウの機嫌の損ねてしまったのか(?)外から窓を拭くだけで体当たりをくらいました。(窓越しだったので怪我はしませんでしたが・・・)
オニオオハシにも最初は嘴をカチカチと鳴らして警戒されてましたが、冷蔵庫にあったチョコを砕いてオニオオハシにあげれたのは印象深かったです。
2日目と3日目は青木さんの指導のもと夜行性館の動物の飼養管理でした。
やる内容はあまり変わりませんでしたが、動物が変わるだけでだいぶ手間がかかりました。
ですがスローロリス、レッサースローロリスが可愛くて可愛くて!!!!!ミルワームを食べる姿すら可愛いんです!!!・・・・・しかし青木さんから毒あるから気をつけてねと言われ少しショックを受けたのでした。
ルーセットオオコウモリの部屋を掃除する時に飛んでくる大量のコウモリにはちょっと恐怖を抱きましたが、よく見るとなかなか可愛い顔をしていました。
青木さんの特製スローロリスの家(2階建て)の1階に3匹ぎゅうぎゅうで寝てて、窓からちょっと体がはみ出てました。そこが何故か愛らしかったです。
絶食日のアムールヤマネコやワシミミズクはちょっとひもじそうでしたけど、これも環境の工夫だなと感じました。野生だと餌が取れない日もあるので仕方がないと思いました。
動物園の近くに木を切ってきて飼育スペースにいれるなどの青木さんの工夫が色々してあって凄いと感じました。しかし本当にスローロリスの家の出来には感動しました。
4日から5日までは動物病院に入院している動物たちのお世話でした。
保護されてきたニホンカモシカやヒヨドリスズメなどの動物もいました。今動物園では猛獣館を建設していて、その建設で大きな音が発生するのがストレスになり、ハイエナが自分の足を噛むからと入院していました。大学で家畜も騒音などのストレスをよく受けると学んでいたのですが、動物園動物でも起るんだなと改めて思いました。
ちょっとメタボなプレーリードッグが運ばれてきて歯の治療をしていましたが、落ちていたプラスチックの輪がきれいに歯に刺さっていていました。飼育員のちょっとしたミスや油断が動物に怪我をさせてしまうこともあると感じました。
閉園後に、平野さんと園内を回ってサイに触れたり、カモシカの散歩をしたりとなかなか触れない動物に触れたのは嬉しかったです。
休憩中に小川さんから動物園の現状や、苦労などをきけて思うことがたくさんありました。
しかし、動物がいるということは、必ず「死」があるものだと思いました。実習中にアヒル、ヒヨドリの死を目撃しました。餌として生きたヒヨコやマウスをあげました。
そういった命の現場に毎回毎回泣いてはいけないが、死に慣れてはいけないと強く感じました。
大学の講義では学べないことをたくさん体験できた実習になりました。もうそのまま働きたかったですが、小さいころから夢だった飼育員を1週間でも体験出来て本当に良かったです。
就職するには狭き門ですが、今回の実習の経験で得た事を糧に残りの大学生活、就活を頑張ります。
最後になりましたが、園長様をはじめとする動物園の皆様 1週間という短い期間ではありましたが本当にありがとうございました。