でっきぶらし(News Paper)

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193号(2010年04月)4ページ

スポットガイドだより

≪1月17日 オグロワラビー≫

新年を迎え、大寒を待たずに動物園には冬将軍が押寄せ、開園時間前は空気も冷たく、バケツの水は凍りつき、大地は霜で薄化粧、青い空から光が差し込み、見上げる日本平は凛として身がひきしまる思いです。みなさまいかがお過ごしでしょうか?コタツに入ってカメのようになっていませんでしたか?(笑)

今日のスポットガイドはオグロワラビーです。場所は、オランウータンとバーバリーシープの展示場を挟んだ丘のように盛り上がった所になります。開始時は日が差し温かく参加者の方々がブルブルと振るえることなく聞いて頂くことができ安心いたしました。

担当飼育員は佐野さんです。解説の時には、ワラビーに似せて作った耳付カチューシャ、たくましく長いしっぽ、そしてポケット付のエプロンを身にまといお客さんにサービス旺盛で注目の的。ポケットにぬいぐるみをしたため、実物のようにかわいい赤ちゃんワラビーが顔を覗かせている様子には、小さなお子さんからお母さんまで、とっても喜んでおられました。

皆さんワラビーの世界へ気持ち良く引き込まれ動物の特徴について、熱心に聞いていました。ワラビーとカンガルーのちがい、他の哺乳類と有袋類のちがい、そして、長いしっぽの使い道など説明してくれました。最後に簡単なクイズが用意され、正解したお客さんは、ワラビーの缶バッチを景品として頂いていました。皆さん最後まで参加していただきましてありがとうございます。とても嬉しかったです。

≪2月21日 バーバリーシープ≫

寒い冬の季節も終わりを告げて・・・といきたいところですが、まだまだ冷たい風が「ぴゅ〜っ」と吹いたりして手先や足元などが赤くなって辛いときなどありませんか?日本平動物園の屋外飼育の動物たちも、あまりに寒いときなどは、温かい電球や、ヒーターの側を離れません。「ぬくぬく・・・」としたいですよね〜。山など沿道に植えてある梅の木々の蕾は淡い紅色やきれいな白色の花を咲かせ、「春はすぐそこだよ。」と言わんばかり。一歩一歩ゆっくりと確実に近づいている暖かな季節。動物たち、動物園スタッフ、そして、日本平動物園ファンの皆さんが最高の春を迎えられますように願います。

さて、本日のスポットガイドはバーバリーシープです。場所は園のちょうど中央辺りで、周りにはアクシスジカやオグロワラビーなどが飼育されています。担当する飼育員は岩田さんです。

最初に、バーバリーシープの生息地から生態について解説がありました。野生のこの動物は、アフリカ北部の乾燥した山岳地帯の険しい岩場に生息していること。そして、一頭の雄に数頭の雌と子供からなる群れを作り行動していることです。体の大きさは体長130〜190センチ、体重は50〜130キロ、近くで見ると結構大きいですね。そして特徴でもある角は外側にカーブしながら後方へ伸びて、雄では長さが80センチにもなるそうです。

この角には三つの機能があり、一つは、群れの中の順位を示すシンボルであり角の大きさで順位がきまること。二つ目は、雄同士の戦いの武器であり、繁殖期に雌を獲得するために角を突き合わせて戦うこと。三つ目は、角でぶつかり合った時の衝撃から身を守るための機能でその衝撃を逃がすことが可能であることでした。

外見の特徴としてもうひとつ、他の野生には見られない長いたてがみ状の毛があごから前足上部まで生えています。迫力があり格好いいですね。また、運動能力についても彼らは山岳地帯の険しい岩場に生息しているので、肢の蹄は断崖絶壁の岩場をすいすい駆け登ったり、降りたりできる機能になっていて急斜面や谷間を飛び越える能力を持ち、高さ2〜3mもジャンプできるそうです。

我々人間の頭上など、いとも簡単に飛び越えてしまうわけですね。ほんと驚きです。バーバリーシープは動物生態学上、ヒツジ類、ヤギ類両方の祖先の形態を備えているなどの話がありました。最後に動物園で与えているエサの紹介とニンジンのエサあげイベントがあり、参加者の皆さんドキドキしながらエサを与えていましたが「ボリボリ、シャキシャキ・・・」と音をたて夢中で採食する様子を体験できて大変楽しそうでした。参加していただいてありがとうございました。

スポットガイド班 班長 夜行性館飼育員 青木 光生

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