でっきぶらし(News Paper)

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197号(2010年12月)1ページ

動物の赤ちゃんぞくぞく公開

 秋が過ぎ、朝晩めっきり冷え込むようになりました。紅葉もピークをすぎて落葉樹はほとんど葉を落としてしまう季節です。
 日本平動物園の園内では、レストハウス横のイチョウや工事中の「水辺のフライングケージ」のほとりのイロハモミジなどが紅葉する木々です。動物だけでなく園内の植物を観察して、季節の移り変わりを感じるのもいいのではないでしょうか。
 園内で紅葉する木といえば、ほかにもうひとつ、ひときわ目をひくものがあります。サイ舎の放飼場にそびえる2本のナンキンハゼです。中国原産で、秋から冬にかけては赤く染まる紅葉と熟すと白い実がきれいな木です。実の皮自体は黒いのですが、その外側はロウでおおわれているため白く見えるそうです。葉が散ったあとでも長いあいだ実が落ちずに残っていて、白い星を散らしたような姿が印象的な木です。サイ舎に行った時はどうぞ目を向けてみてください。
 さて、サイ舎のとなりにあるダチョウ舎では、あたらしくメスのダチョウがお目見えしました。今年の7月4日にそれまでいたメスのダチョウが亡くなって、オスのダチョウ一羽になっていました。オスは少し寂しそうにしていましたが、11月8日にふたたびパートナーができました。新しく入る動物を一緒にするときは、元からいる動物と相性がいいか心配なものですが、2羽のダチョウは争う様子もなく、同居はすんなりいきました。
 今では仲良く2羽ならんで放飼場を歩きまわっています。
 次に、この秋の話題といったら、なんといっても人気の動物の赤ちゃんたちが続々皆さんの前にお披露目されたことにつきるでしょう。
 7月19日にレッサーパンダ、シュウシュウとナラのあいだにメスの双子が生れましたがその子供たちは10月26日に一般公開されました。お母さんのナラが赤ちゃんの面倒をみなかったため、人工保育で育てられました。
 生れて間もなくは白っぽいグレーだった赤ちゃんの毛の色も、いまでは両親と同じ茶色と黒の配色で体の大きさも見た目ではあまり変わらないくらいになりました。旧子ども動物園のレッサーパンダ舎で公開されています。ときどき、両親と入れ替わりに放飼場へ出てかわいらしい仕草を皆さんに披露しています。
 7月28日生れのアムールトラのオスとメスの双子は10月13日に公開されました。当初は時間を限っての公開です。10月3日にお父さんのトシが亡くなってしまい寂しい限りですが、お母さんのナナが愛情いっぱい育ててくれているので、まもなく元気に放飼場いっぱい遊びまわってくれるでしょう。
 9月13日にはオランウータンのキャンディに、男の子が生れました。日本平動物園では17年ぶりのオランウータンの誕生です。10月21日から室内展示場で一般公開が始まりました。公開当初はまだお母さんがしっかり抱っこしているのでなかなか顔が見えません。ときにはキャンディが麻袋をすっぽりかぶってぜんぜん姿がみえないこともありました。赤ちゃんが親から離れて行動し始めるのは生後3カ月すぎくらいといいますから、年末ごろにはお母さんの体から離れて冒険を試みる赤ちゃんの姿が見られるでしょう。
 どうか皆さんも動物の子供たちの成長を見守ってあげてください。

動物病院 菅野 展美

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