でっきぶらし(News Paper)

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197号(2010年12月)4ページ

≪実習だより≫獣医実習を終えて

 私は8月10日から8月14日の5日間日本平動物園で実習をさせて頂きました。
 初めての学外実習ということで一番興味のあった動物園を選んだのですが、楽しく華やかなイメージの裏には大変な苦労があることを知りました。それと同時にとても思い出に残る大変楽しい実習になりました。
 実習期間中には園内の見廻りや病院内に収容されている動物たちの世話を中心に行いました。また子供たちが動物のことを学ぶために行われたサマースクールの手伝いもさせて頂きました。
 園内の見廻りでは動物たちに異常がないか確認しながら、治療が必要な動物たちの治療を行いました。アリクイやバクの治療ではマッサージをしながら患部の消毒や保護を行い、それぞれの動物たちに合ったやり方が考えられており、いろいろ工夫されていることを知りました。
 病院内の動物たちの世話は飼育員さんにいろいろ教えて頂きながら、主に掃除や餌やりを行いました。餌はその動物に適切な栄養バランスや量が考えられていました。実際に私も餌を切る作業から与えるところまでさせて頂きました。掃除は、小さなケージに入ったものは餌や糞を洗い流すといった感じで行い、ヤマネコやウミネコなどの大きな部屋はデッキブラシでこすってきれいにしました。これらの作業はほとんどが飼育員さんの仕事で毎日行うのは本当に大変だと思いました。それと同時に飼育員さんの動物たちに対する深い愛情をすごく感じました。
 サマースクールではこの日は小学校2、3年生が動物のことを学びに来園しました。子供たちはみんな動物たちにすごく興味を示し、きらきら輝いた目で動物を見ていましたし、貪欲に動物たちを知ろうとしていました。また自分にとっても動物をじっくり観察する良い機会でしたし、質問されても分からないこともあり、自分の知識のなさを実感しました。子供たちのように動物に純粋に接することの大切さ、楽しさを再確認することができました。すごく勉強になりました。このようなイベントをもっともっと増やし、子供たちに動物に接する機会を与え、一人でも多くの子供が動物を好きになってくれたらいいなと改めて思いました。
 5日間という短い間でしたが、普段なら絶対にできない体験をさせて頂き、接することのできない動物に接することができ、本当に良い経験ができたと思っています。自分なりにではありますが、動物園で働くことの楽しさと苦労を肌で感じることができ、これからの自分にとって大変貴重なものとなりました。
 最後になりましたが、迷惑もたくさん掛けてしまったと思いますが、お忙しい中嫌な顔一つせずご指導下さった獣医師の方々、飼育員の方々、動物園関係者の皆様、本当にありがとうございました。

北里大学 獣医学部 獣医学科4年 齋藤 瞬

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