でっきぶらし(News Paper)

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200号(2011年06月)6ページ

スポットガイドだより 

≪3月20日 夜行性館≫

 三月の下旬になりますと、身を差すような寒さはなくなりましたが、時より吹く風はまだ肌寒く感じ、桜の蕾も硬く閉じたままじっと春の訪れを待っているのでしょう。
 今回のスポットガイドは、夜行性館です。あいにくの曇り空の中、入り口手前の少し開けたスペースに約四十人程の参加者が集まり、館内で展示されている中から、およそ三種類に分別し動物の生態について、担当の渡辺飼育員より解説が始まりました。動物は、ムササビ、フクロウの仲間、コウモリの仲間です。まず、ムササビは、齧歯目リス科ムササビ亜科に属しています。前足と後ろ足の間に飛膜がありそれを使って、グライダーのように滑空し樹から樹へと飛び移ることができるのです。長くてフサフサした尾は舵取りの役目を果たします。もちろん夜行性であり、主に樹上で生活し種子、果実などを食べます。当園では、リンゴ、オレンジ、ブドウ煮たサツマイモやニンジン、青菜、ヒマワリの種、また、シイの枝や桜の葉などの生木も与えています。木をよじ登るために指先の爪はかぎ爪であり、そして、歯は、硬い種子や枝をカジれるように前歯上下とも鋭く尖っています。噛まれたら痛いどころではありませんね(笑)。
 フクロウの仲間については、大きな種類のワシミミズクと小さくて可愛らしいオオコノハズクについてのお話しでした。フクロウの羽根は、飛行中に風切り音が、他の鳥類と比べ非常に小さく、獲物が気付く前に狩ることができる優れた能力であることや、捕食した餌の一部で消化しにくい骨などの固まり、いわゆるペリットを口から吐き出す事などのお話しでした。
 コウモリの仲間は、主に昆虫食と果物食に分けられ、前者はエコロケーション(超音波)を使い障害物などを避け飛行することや、餌となる昆虫を捕まえる能力があり、後者は目視により飛行し餌となる果物を採食するなどのお話がありました。夜行性館には、ルーセットオオコウモリ(別名フルーツコウモリ)が展示しておりますが、彼らは、暗闇の壁に逆さになってつかまり、来館者の様子を逆に見ているのかもしれませんね。
 解説の途中には、簡単なクイズを盛り込み、参加者の皆さんは最後まで楽しそうに聞いておりました。大成功! 尚、二年間ズースポットガイドの記事を執筆させていただきましてありがとうございました。 私なりに感じた事を、分かりやすく書いたつもりでしたが、楽しんでいただけたでしょうか。二十三年度も素敵な動物についてのスポットガイドが盛り沢山です。執筆担当は代わりますが、どうぞ、これからもよろしくお願い致します。
 
ズースポットガイド班 青木 光生

≪4月17日 動物病院≫

 天気も良く暖かい4月17日、毎月一回行っている日本平動物園恒例のZOOスポットガイドが開催されました。
 今回は動物病院が、その舞台。しかも、普段、来園者の皆様が御覧になれない、動物病院の舞台裏?を観覧していただきました。30組限定、10組づつ3グループに分かれて13:30からスタート、それぞれ治療室・入院室・解剖室を、順路を変え時間差を設けて、施設内見学にしては比較的ゆっくりと巡り、各部屋で待機していた獣医師達が丁寧な説明・解説を行いました。
 参加者の皆様は、治療室では、そこに置かれている各治療器具の幾つかが人間の病院で使われている物と同じである事に驚き、入院室では、当園の動物達以外にも市内等で保護された動物達が収容されている事実に触れ、解剖室では、綺麗に保存してある様々な動物達の骨格を間近で観察、感心されていた様子でした。お子様達も、何人も参加されたので、きっととても良い経験になったのではないか・・・と思います。

ZOOスポットガイド23年度班長 長谷川 裕

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