でっきぶらし(News Paper)

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201号(2011年08月)2ページ

≪あらかると≫フライングメガドームの新たなる住人?

 今年の5月、いよいよ新フライングケージ「フライングメガドーム」がオープンしました。広さはなんと国内最大級です。皆さんもう見に来られましたか?
 色鮮やかなフラミンゴ、ショウジョウトキ、かわいいインカアジサシ、カモなどたくさんの鳥達が暮らしています…が、おや?あれ?パンフレットには載っているけれど、なにか動物が足りません。そう、それはこの池の昔からの住人「ジェフロイクモザル」です。実はフライングメガドームのオープンまでに池が満水にならず、なかなか島に放すことが出来ずにいました。
 しかし!!ようやく池が満水になってきたので、そろそろ元の島に戻せそうです。皆さんお楽しみに…とその前に、実は今回、この獣舎建設にあたりクモザルたちには、いろいろな出来事がありました。それをほんの少しお話させてもらいます。
 工事の日程が決まり、バックヤード(一時収容施設のこと)へ移すことになったのですが、このクモザルちゃん実は簡単には捕まってくれないのです。職員がタモを持って捕獲するのですが、なかなかこれが難しいんです。通常どの動物も檻の中に入っているので、吹き矢で麻酔がかけやすく、捕まえるのは簡単なのですが、クモザルちゃんは島にいる自由人。うまく追い詰めないと、あちこちへ移ってしまって、大変な事になってしまいます。さらにクモザルは泳ぐことが出来ないので、池に落ちたらおぼれてしまいます。スピーディーかつ慎重に作業しなければいけないのです。
 前回、捕獲の時はうまく追い詰める事が出来ず、捕まえるのに何時間もかかってしまいました。今回もまたあの時の悪夢が…、と思っていたらなんと30分もしないうちに、あっさり捕獲出来ちゃいました。うまく追い詰める事が出来て、なおかつバッチリ一発で4頭とも見事に網の中に収容です。歴代でもクモザルの捕獲で、こんなにうまく行った事は無かったんじゃないかな〜と思いつつ、携帯用の檻に入れてバックヤードまで移動しました。
 さてさて、仮の家に移ったまではいいのですが、これからがまた大変です。クモザルと一緒に狭い獣舎の中に入るのは危険なため、2つの部屋を使いクモザルを移動させ給餌&清掃を行うのですが、やっぱりクモザルは自由人。餌を置いてもなかなか移動してはくれません。お腹は減っているので動きたい気持ちはあるみたいなのですが、警戒しているのか、なかなか動いてくれません。扉の前を行ったりきたり。そんなことを20分ほど繰り返しようやく食欲に負けたのか何とか移動しました。こんなことが何日か続きようやく覚えてくれたのか、そのうちスムーズに動くようになってくれました。
 その他にも、バックヤードは、冬とても寒くなるため、赤外灯を後から何個も付け足したり、島にいた時より運動量が少ないためちょっとメタボ気味になってしまい餌の量を減らしたりと、約一年ここには書ききれないほどのいろいろなことがありました。それもようやく終わります。今回、フライングメガドーム建設にあわせ従来の島だけでなく、新たに小さな島が二つ追加というクモザル島リニューアルも行われ、とっても豪華になりました。
 いままでとは違ったクモザル動きが見られるかもしれませんので、ぜひ新クモザル島を見に来てくださいね。

飼育担当 岩田 雅也

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