でっきぶらし(News Paper)

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207号(2012年08月)4ページ

≪実習だより≫

 私は、先月の15日から17日にかけての3日間、貴園でインターンシップを経験させていただきました。その際には、主に1班さんでお世話になり、ゾウ、キリン、バイソンや、フライングメガドーム、猛禽類のお世話を担当させていただきました。私の夢は、日本平動物園さんで飼育員として働くことです。その夢のためになる、とても有意義な時間を過ごさせていただくことができました。
 3日間の中で、私の心に1番強く印象付いていることは、いろいろな考え方の飼育員さんがいらっしゃるのだ、ということです。研修中、たくさんの飼育員さんと関わらせていただきましたが、作業ひとつとっても飼育員さんによってやり方が違ったり、その作業の意味が異なったりしました。例えば調餌に注目してみても、餌を細かく切ったほうが良いとおっしゃる飼育員さんもいらっしゃれば、そんなに細かさを意識する必要はない、ざっくり切れば良いとおっしゃる飼育員さんもいらっしゃりました。
多頭飼育の場合、例えそれが2、3頭であっても、野生下と同じようにその群れの中には、性別や年齢、体の大きさなどの違いから上下関係が生まれます。上下関係が存在すれば、当然、位が上の個体が、下の位の個体よりも、様々な点において優先されます。それは給餌の場面でも同じで、力が強い個体が好物を独占してしまったり、ボスが餌を独り占めしてしまったりするのです。そのことを踏まえて、弱い個体でも十分な量の餌を採取できるように、餌は細かく切らなくてはいけない、切るべきだ、という考え方の飼育員さんがいらっしゃりました。
その反面、野生下では細かく切られている餌など存在しないのだから、動物たちの本能を鈍らせないためにも、餌をそんなに細かくする必要はないだろうという考え方の飼育員さんもいらっしゃりました。他にも、掃除方法や作業自体の手順など、飼育員さんによってやり方や考え方が異なる場面が多々あり、視野を広げるという面においてすごく良い経験をさせていただいた3日間だったと感じています。
 私はまだまだ勉強途中であり、様々な考え方に触れても、こういう考え方もあるのかと驚いたり感心したりすることしかできません。まだ、飼育員として、私はこうすべきだと思う、といった自分の考えをはっきり述べることはできません。しかし、このように動物園さんでの研修を積ませていただくことで、様々な経験を積んでこられたベテランの飼育員さんたちとお話しさせていただいたり、一緒にお仕事をさせていただいたりすることができます。日本平動物園さんでのインターンシップでは、将来、飼育員になるという夢を叶えた際に、自分の飼育員としての考え方を確立していく上で、参考にさせていただきたいと思う、たくさんの考え方に出会うことができました。
 私は、動物が大好きです。夢は、日本平動物園の飼育員さんになることです。どんな工夫をしても、完全に野生下と同じ環境を再現してあげることは難しい動物園の飼育環境において、どうしたら動物たちがより快適な暮らしができるのか、様々な経験や知識から考え実行できる飼育員さんになるために、一生懸命勉強します。
 3日間、本当に貴重な経験をさせていただきました。忙しい中でも嫌な顔一つせず、質問に答えてくださったり、丁寧にお仕事を教えてくださったり、本当に嬉しかったです。これからも、自分の夢に向かって頑張ります。ありがとうございました。

専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー 白石 佳会

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