でっきぶらし(News Paper)

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208号(2012年10月)4ページ

≪実習だより≫

 日本平動物園での実習を経て学んだこと

 私が6月5日〜7日の3日間、日本平動物園での実習を通して学んだことは、「飼育員になるためには、動物の知識、体力だけでは不十分である」ということです。
 私は、 動物の飼育員になりたいという思いから専門学校で勉強を始めました。飼育員になるためには、なによりもたくさんの動物の知識が必要で、そうでないと飼育員にはなれないとも思っていました。しかしこの実習を経て、自分が考えていたことが甘かったと気づかされました。
 私がこの3日間で主に実習させて頂いたのは、は虫類館でした。そこで驚いたことは、飼育員さんが動物たちの展示室にある植物を試行錯誤しながら育てているということです。植物を育てることってそんなに重要なことなの?と、最初は思ってしまいました。お客様が見たいものは動物たちであって、植物には関心はないのではないかと思ったからです。しかし、お客様と同じように外から展示室を見たとき、その大切さに気付くことができました。展示室に植物を生やすことによって、その動物が本来生息している環境に近いものを再現し、お客様を楽しませることが出来ているのだと実感しました。
 近代の動物園の展示方法は昔とは比べ物にならないくらい進歩しています。ただ動物の身体的な特徴を見せる「形態展示」はどんどん減少し、展示する動物の特徴を生かすことが出来る「行動展示」や、野生で生息している環境を再現するなどして、動物にストレスのかからない環境エンリッチメントなどを考慮した「生態展示」が主流となってきました。ここ日本平動物園も「猛獣館299」や「フライングメガドーム」、「ふれあい動物園」など新しい施設がどんどんオープンし、お客様も楽しめて、また動物たちにとってもよりよい環境になってきています。そんな動物園が新しく生まれ変わって行く中で、ただ動物の知識だけを詰め込むのでは飼育員としては足りないのだと思いました。
 今回の実習を経て、変わり行く動物園の形に合わせて、飼育員の仕事も多様化してくるのだと感じました。これからの時代に合わせた飼育員になるためには、動物の福祉を考えた環境エンリッチメントやお客様を楽しませる展示方法など、動物とお客様の仲介役としてどちらにとってもバランスのとれた飼育や展示を考えていく必要があるのだと思いました。また、動物の知識だけでなく多くのことに関心を持ち、新しいことに積極的に挑戦していくチャレンジ精神も重要であると思いました。
 この経験を生かし、これからも飼育員になるための様々な努力をして日々精進していきたいと思います。今回の実習は私にとって大変貴重な3日間となりました。本当にありがとうございました。

専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー 瀧下 美凡

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