でっきぶらし(News Paper)

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247号(2019年04月)5ページ

ミカンの話

 現在、日本平動物園では157種737点の動物たちが暮らしています。それだけ多くの動物を飼育していると当然いろいろな種類のエサも必要になります。たとえば肉食獣は肉、魚などを食べますが、生のままだと傷むのが早いので、冷凍貯蔵してあるものを解凍し使用しています。草食獣には草を与えていますが、生の物を毎日たくさん採ってくることは難しいので、干し草や固形飼料などを飼料室に大量に保管し使用しています。しかし、それだけではすべての動物たちのご飯を賄う事が出来ません。なので、足りない餌は青果店さんから毎日新鮮な野菜や果物を購入します。使うものは、基本的にほぼ一年中、手に入れられる物を使用していて、サツマイモ、キャベツ、リンゴなどだいたい種類は決まっているのですが、唯一違う果物があります。なんだと思いますか?実は「ミカン」なんです。普段は年間を通して購入できるオレンジを使用していますが、秋~春くらいまでの収穫時期になるとミカンに代わります。なぜミカン使うの?と思われるかもしれませんが、静岡の温州ミカンは全国でも有数の生産地だからです(値段が安いのもありますが…)。ミカンは採れる時期によって早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)などと呼ばれていますがどれもおいしいです。昔聞いた話ですが「静岡市のミカンはすごくおいしい」と言っていた方がいました。理由を尋ねると甘さと酸味のバランスが良いとの事でした。ただ甘いだけではなく適度に酸味がある事により腐りにくく長くおいしく食べられるとの事でした。では、肝心な動物たちにとってはどうかというと…どうやら味の違いは分かるみたいです。グルメですね。オレンジ、ミカン両方残し気味な動物もいますが、オレンジは食べてミカンを残す動物はあまり聞いたことがありません。また、最近動物園では静岡市のとある農家さんからおいしいミカンを大量に寄付していただいているので、いままでより長く食べる事ができ動物たちも喜んでいる事と思います。もうすぐ時期は終わってしまいますが、皆さんも動物が大好きなミカンを食べて頑張りましょう。
(岩田雅也)

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