247号(2019年04月)7ページ
レッサーパンダ、だけじゃない!(2/2)
それから、会議用の資料作成や、各動物園にいるオオアリクイたちの血統を調べる日々が始まりました。各園のオオアリクイ飼育担当者の方や、オオアリクイの研究をしている方への事前連絡も忘れてはいけないし、マニュアルを作るためのアンケートの作成、海外で作成されたマニュアルの翻訳、説明用のスライドの作成、開催場所や日程の調整etc,etc・・・。山ほどあるやらなきゃいけないことをこなしているうちに、どんどん日々は過ぎていき、ついに今年の2月(年をまたぎました)、会議へとこぎつけました。
会議当日、2度3度と持っていく資料を確認し、「がっかりされたらどうしよう」と不安になりながら会場入りしましたが、各園の担当者の方たちや類別事業調整者の方は皆さん優しく、そしてオオアリクイが大好きな方たちばかりでした。用意した資料も熱心に読んでいただき、ウンチが柔らかい場合はササミを使ったり、ミルクを抜いてみたらどうか、繁殖するタイミングはこうしたらいい、オオアリクイの飼育園を増やしていきたい、この園は飼育してくれるかもしれない、などなどたくさんのアイディアをいただきました。そしてついに、飼育マニュアルを作成できるだけの情報が集まり、初の会議は和やかな雰囲気の中終了したのでした。
その後、参加された方から「オオアリクイを飼育する園が増えるかもしれない」ことや、「もしかしたらうちの子、妊娠してるかも」など、良いニュースがメールで届くようになりました。会議までの仕事は大変でしたが、こうやって他園の方と交流ができるようになったり、情報を共有できるようになり、本当にやってよかったと思える仕事でした。第2回の会議もすでに決まっていますので、次回はもう一歩進んだ内容にしていきたいと思っています。
「ん~でもオオアリクイねぇ・・・」と思ったそこのあなた。インターネットで「オオアリクイ 威嚇」と検索してみてください。少しオオアリクイのことが好きになれるかもしれませんよ(ちなみに威嚇の態勢はアリクイにとってストレスになるので、決して脅かしたりしないでください)。
(太田 智)