248号(2019年06月)3ページ
ヒツジのお引っ越し
みなさんはふれあい動物園に新しく仲間が増えるのを知っていますか? 8月1日から新しくカピバラがやってきて、日本平動物園でもカピバラを見ることができるようになるので、みなさんぜひ楽しみに待っていてください。
カピバラを飼育するために、現在ふれあい動物園では、ヒツジ舎をカピバラ舎にするための改修工事をしています。ヒツジ舎がなくなってしまうということで、ヒツジたちはヤギ舎へと引っ越してヤギと同居生活をしていますが、このヤギとヒツジの同居が大変でした。
動物を同居させる際は、様子を見ながら徐々に慣らしていく必要があります。急に一緒にしてしまうとケンカをして怪我をしてしまうことがあるため、まずは柵越しにお見合いをさせて攻撃するような行動をとるかどうかを見ます。ヒツジとヤギの同居も2月の末ごろから練習を始め、最初は柵越しにお見合いをさせましたが、実はあまりうまくいくとは思っていませんでした。ヒツジとヤギ、見た目は似ていますが性格は正反対といえるほど違います。ヒツジは温厚でおとなしく、臆病な性格なのに対して、ヤギは好奇心旺盛で気が強く、攻撃的な性格をしています。なので、柵越しでもヤギが攻撃的な行動をしてしまうと思っていました。しかし、しばらく様子を見ていても、柵越しにヤギが興味深そうにヒツジを見つめるだけで、特に攻撃するような素振りは見せませんでした。意外とうまく同居できるかなと思いましたが、いざ柵を外して同居の練習をしてみるとヤギがヒツジを頭突いたり、追い掛け回したりしてしまいました…。
ヤギの気をそらすためにエサの乾草を色々なところに置いてみたり、ヒツジを頭突こうとするヤギを間に入って止めたりしながら、同居させる時間を延ばして慣らしていきました。どうにか1日中同居させることができるようになりましたが、ヤギとヒツジの仲はなかなか縮まらず…。頭突きに行くことは少なくなりましたがなくなりませんでした。ヤギがヒツジを頭突かなくなるにはもっと時間がかかるな…と思っていたのですが、なんとヒツジの毛刈りをした途端、ほとんど頭突きに行くことがなくなりました!毛が刈られてヒツジの見た目がよりヤギとそっくりになったからなのか、今ではヤギの近くで寝るヒツジの姿を見ることができます。ヒツジの毛が伸びてきたらどうなるのかわからないので不安はありますが、それまでには仲良くなっていることを願います。
ヤギとヒツジの今後を見守っていてください!
(杉山 友祐)